香川、4試合ぶりの出場も…ドルトムントは気迫溢れる最下位チームに敗北

2017年02月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

90分間良さを出し続けたダルムシュタットは8節以来の勝利。

香川(中央)は良さも見られたが、決定的な仕事は果たせず。左は同点弾のゲレイロ、右はまたしても得点機を活かせなかったロイス。 (C) Getty Images

 2月11日(現地時間)、ブンデスリーガ第20節が行なわれ、ドルトムントはダルムシュタットに1-2で敗れた。
 
 火曜日にDFBカップを戦い、さらに来週はチャンピオンズ・リーグが控えていることもあり、大幅なメンバーの入れ替えが予想されたドルトムント。戦前はスタメン出場も予想された香川だが、公式戦4試合続けてのベンチスタートとなった。
 
 最下位のダルムシュタット相手ということで、アウェーゲームとはいえ4位のドルトムントが有利と見られていたが、最初に決定機を掴んだのはホームチーム。5分、FKからボイドが鋭いヘディングシュートを放ったが、GKビュルキが驚異の俊敏性を見せ、辛うじてこれを防いだ。
 
 しかし、これでダルムシュタットは勢い付き、また同時にドルトムントの守備の甘さが目立つようになり、7分にはサムがドリブルで突き進みながらスルーパス。これでローゼンタルが抜け出し、GKと1対1の場面を迎えるも、シュートはポストに弾かれた。
 
 中盤の守備が緩く、18歳のブルニッチを加えた最終ラインも不安定なドルトムント。守備の不安は、攻撃の良さも消し去り、パスは繋がらず、良い攻撃を組み立てることができない。
 
 試合が動いたのは21分。ダルムシュタットは粘り強くボールを繋ぎ、左サイドを抜け出したヘラーがマイナスに折り返すと、ボイドがこれに合わせてゴールネットを揺らす。ゴール前にはドルトムントの選手が4人いたものの、誰もクロスに反応できなかった。
 
 好守に精彩を欠くドルトムントは、失点から2分後にオーバメヤンのスルーパスでロイスが得点機を迎えるが、このところ決定力を欠く彼のシュートは飛び出したGKエッサーにブロックされる。
 
 42分にはCKから、クリアボールを拾ったプリシッチのパスを受けたオーバメヤンが、GKの頭上を狙ったシュートを放つが、エッサーは何とかボールに触れてCKに逃げた。
 
 このまま前半はホームチームのリードで終了するかと思われたが、44分、ドルトムントは左サイドのドゥルムからパスを受けたエムレ・モルが、タイミング良く縦に走り出したゲレイロにスルーパス。抜け出したゲレイロは浮き球を強烈に叩き、同点ゴールを叩き込んだ。
 
 リードを守り切れずに前半を終えることとなったダルムシュタット。しかし後半に入っても、守備での厳しさは前半と変わらず、奪ってからの攻撃も効果的。51分、60分と、ローゼンタルが決定機を迎えた。
 
 対するドルトムントは、ボールポゼッションでは上回るものの、チャンスは52分にオーバメヤンのクロスをゲレイロがフリーで受けた場面ぐらい。これも、懸命に寄せたダルムシュタットDF陣によってシュートはブロックされた。
 
 62分、攻撃の活性化のため、トゥヘル監督は香川とデンベレを同時投入。香川がピッチに立つのは、先月21日のブレーメン戦以来だった。
 
 しかし、次の1点はホームチームにもたらされる。67分、自陣でデンベレがドリブルを開始したところをアルティントップが奪い取り、巧みな浮き球のパスでサムに繋ぎ、さらにボールは右サイドから走り込んだチョラクへ。交代出場のFWは右足で冷静にGKビュルキを破った。
 
 理想の時間帯に勝ち越したダルムシュタットは、攻撃では70分にも連続して決定機を迎え、守備では高い集中力を維持してドルトムントにチャンスを作らせない。4分間のアディショナルタイムでは相手の攻撃を封じ切っただけでなく、逆に決定機を創出してみせた。
 
 ホームチームの良さばかりが出た90分間。ダルムシュタットの勝利は、実に10月22日のヴォルフスブルク戦(8節)以来だった。一方、ドルトムントは90分間らしさを出せないまま、12節フランクフルト戦以来の敗北を喫した。
 
 久々にピッチに立った香川は、縦に広く動き、攻撃の起点となった他、鋭い切り返しからドリブルで持ち込んで鋭い縦パスを通したり、タイミング良く前線に上がって得点に絡もうとしたりしたが、結果を出せずに終わった。
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