【湘南】「今年はJ1仕様で行こう!」湘南スタイルを意識する新戦力たちが激走!

2017年01月30日 隈元大吾

「J2でやれてもJ1でやれないことは分かっている」

市立船橋高から新加入の杉岡。積極的なプレーで先制点につながるCKを引き出した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 上々の滑り出しに見える。湘南は1月29日、「SHONAN×FUKUSHIMA フットボールフェスティバル2017 Presented by 日本端子」に臨み、提携する福島から4-0の勝利を収めた。
 
 ポゼッションに勝る湘南が福島のカウンターを凌ぎながら最初に機を捉えたのは16分のことだ。CKの先で石川俊輝からアンドレ・バイアを経て、折り返しを菊地俊介がダイレクトで叩き込んだ。
 
 くだんのCKは最終ラインからオーバーラップした杉岡大暉のシュートが端を発していた。「運動量はこのチームの特徴でもあるので、そこは意識してプレーしました」。そう語った通り、杉岡はこのシーンに限らず、左WBの下田北斗と連係しながら積極的に前を目指した。
 
 ボランチに入った秋野央樹もまた随所に推進力を発揮。「レイソルにいた時より前への意識を増やしてプレーしました。もっと回数や質を高めなければいけませんが、そのなかでも何回か前線に走ってフィニッシュに絡めたところもあった」。長短のパスで手綱をさばきながら、時に右WBの高山薫らとともにアタッキングサードへ攻め入り、自らシュートを放ちもした。3点目の場面ではゴールに至る起点にもなった。
 
 その3点目を挙げたのは野田隆之介だ。下田の鮮やかなフリーキックから間もない34分、サイドからの折り返しに山田直輝とともに反応し、巧みに仕留めた。「得点を取りたかったし、たくさん走ろうと思っていた。後半は少し足が止まってしまいましたが、楽しくやれました」と野田は振り返った。
 
 後半に入り、湘南はメンバーを入れ替えながら戦い、試合終了間際には杉岡からサイドチェンジを受けた齊藤未月のクロスに表原玄太が詰め、勝負を決めた。
 
 快勝と言える結果にも、しかし緩んだ空気が漂わないのは、見据えるものがチームとして明確に共有されているからに違いない。たとえば秋野は連係についてこう語る。
「まだまだ上げないと、J2でやれたとしてもJ1でやれないことはみんな分かっているし、今年はJ1仕様ということを常々話している。今良くてもJ1に行ったらどうだと考えた時に、まだまだできると思わなければこの先はない。満足せずに日々努力していければと思います」
 
 試合前のイメージ通りに結果を残した野田も、「まだまだミスのほうが多かった。しっかり整理して修正していきたい」と口元を引き締める。
 
 この日の午前中には相模原と練習試合を行ない、そちらも4-0の勝利を挙げた。間もなく始まるスペインキャンプでは世界の強豪との実戦も予定されている。ともに育む志のもと、切磋琢磨がチームの幹を太くする。
 
取材・文:隈元大吾(フリーライター)

【フットボールフェスティバル2017 PHOTO】湘南4-0福島
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