青森山田が英国の名門アカデミーを翻弄! エース鳴海の2ゴールなど4発を叩き込む!

2017年01月21日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

細かいパスワークで相手を翻弄して4ゴールを奪う。

エース鳴海(右から2番目)の2ゴールなど4得点した青森山田が、英国の名門アカデミーに大勝した。写真:ナイキ

 JFAとナイキの全面協力の下、1月16日からイングランド遠征中の青森山田高校。高円宮杯U-18プレミアリーグと全国高校選手権の二冠を達成した日本ユース最強軍団が、現地時間20日、FA所有のトレーニングセンター、セント・ジョージズ・パークで最後の試合に臨んだ。
 
 相手はセルティック時代に中村俊輔を指導したゴードン・ストラカン(現スコットランド代表監督)が運営するストラカン・フットボール・ファンデーション。16~18歳が所属し、ユース代表選手、さらにプロフットボーラーも輩出している名門アカデミーで、青森山田が2日前に0-0で引き分けたプロ養成機関『ナイキアカデミー』とも頻繁に対戦しているという。その直近ゲームは1-2で、間違いなく難敵だ。
 
 2日前と同じく、ユニホームは通常モデルはなく、JFAの『JFA Youth & Development Programme』特別モデルを着用した青森山田のシステムはお馴染みの4-1-4-1。スタメンは、GKが坪歩夢(3年)、DFが右から小山新(3年)、橋本恭輔(3年)、工藤聖人(3年)、三国スティビアエブス(3年)、MFがアンカーに住永翔(3年)、2列目が右から永島卓徒(3年)、住川鳳章(3年)、佐々木快(3年)、嵯峨理久(3年)、そして1トップには鳴海彰人(3年)が入った。
 
 出足こそ身体能力はもちろん組織力に優れたストラカンFFに対してやや後手を取った青森山田だが、徐々に相手のパワーとスピードに慣れていき、6分には細かい連携からエースの鳴海がファーストシュート。その後はアンカーの住永を中心としたテンポの良いパスワークで相手を翻弄し、14分には嵯峨、16分に鳴海、21分に三国と立て続けにフィニッシュする。
 
 そして、26分には待望の先制点を奪う。連携から右サイドに流れた佐々木のクロスを、ニアからファーに流れてフリーになった鳴海が頭で押し込んだ。
 
 以降も32分に鳴海、34分に鳴海と住永、38分に鳴海が立て続けに決定機を迎えるなど、押し気味に試合を進めてハーフタイムを迎えた。
 
 後半は頭から坪、小山、工藤、永島、佐々木を下げ、飯田雅浩(1年)、新井健太郎(3年)、新村隆司(3年)、中山純希(3年)、小堀雄大(3年)を投入。それでも青森山田の勢いは衰えず、51分には細かい連携で相手を崩し、最後には鳴海が振り向きざまに右足を振り抜いて2点目を挙げた。
 
 インターハイと選手権でダブル得点王に輝いたストライカーは、ナイキアカデミー戦でノーゴールに終わった悔しさを晴らすように、前日の「2点取ります」を見事に有言実行した。
 
 62分に鳴海に代えて黒田凱(3年)をピッチに送り出した青森山田の勢いはさらに増し、65分には再びコンビネーションから三国が右足を振り抜いて3点目。後半に左サイドバックから右サイドハーフにポジションを変え、「攻撃に比重を置いて、一発狙ってやろうと思っていました」という大器が狙い通りの一撃を叩き込んだ。
 
 さらに、79分にはDF中山がオーバーラップから4点目。左利きだが、「ずっと練習していました」と振り返る右足での豪快弾だった。
 
 そして、ラスト10分を切ったところで三国に代えて伊藤翼(3年)がピッチへ。1年で大怪我をし、以降はマネージャーとしてチームを支えてきた裏方にもプレータイムが与えられた。
 
 結果は4-0の圧勝。青森山田が「日本ユース最強」の名に相応しい圧倒的なパフォーマンスを見せ、イングランドの名門アカデミーを文字通り蹴散らした。

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