【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|鹿児島での新たな一年がスタート!

2017年01月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「立ち寄る」から「生活する」鹿児島になったことで気づいた桜島の大きさ。

鹿児島の代表的パワースポットである桜島。三浦監督も移り住んでから、その存在感の大きさをひしひしと感じているようだ。(C) Getty Images

 1月13日、鹿児島ビジョンがスタートした。
 
 まずチームの正式行事前に過ごした2日間は、貴重な時間となった。最初はスタッフ顔合わせ。強化ミーティングがトップチームスタッフ、育成スタッフとの間で行なわれた。
 
 14日には、クラブフロントスタッフと常時、協力体制を引くメディカルスタッフとの顔合わせ。懇親会と新年会を兼ね、食事をとりながらしっかりコミュニケーションがとれる本音を語れる時間となった。
 
 そして正式行事として、16日に集合写真、個人写真を世界遺産の仙巌園で行ない、ユニフォーム紹介、新入団記者会見から鹿児島ユナイテッドFCの2017年シーズンがスタートされた。
 
 17日、照国神社で必勝祈願後、全体ミーティングを午前中に終え、午後からトレーニング。毎年あっという間に過ぎていくシーズンのスタートだ。
 
 今回のオフは、例年になく充実し、落ち着いた時間を過ごすことができた。たくさんの友人と触れ合い、話をする機会は次への活力となった。
 
 鹿児島で監督就任会見を12月の早い段階に済ませ、考える時間から整理する時間、そして考えずリラックスする時間まで、これまでの人生においても最近では中々感じることのできない年末年始となった。
 
「一年の計は元旦にあり」と言うが、元旦は静岡の実家に集まり、弟のカズと掘りごたつに足を入れながら、テレビから流れる映像と音をBGM代わりに、子どもから大人に成長していく過程にある、息子、娘たちを交えてサッカーの話をゆっくりしながら、また時折テレビ番組に興奮し、笑い声が絶えない時間に縁起の良いスタートと感じた。
 
 久しぶりに弟と会い、笑われるかもしれないが「弟だな~」と当たり前だが思った(笑)。
 
 人の大事さ、人の尊さ、人の温かみを強く感じた年が過ぎ、また新しい年が来た。そして再び、サッカーの力で人との新たな出会いが生まれた。
 
 鹿児島には、人の持つ力「マンパワー」と、力を漲らせてくれる場所「パワースポット」がある。
 
 代表的な「パワースポット」と言えば桜島だが、目の前にこれほどまでに大きく感じたのは初めてだ。取材や旅行などでほんのひと時「立ち寄る」鹿児島から、「住み、生活をする」鹿児島になったことで、こんなに近くに桜島があったのだと気づく。
 
 桜島の噴火を心配してくれる人も多いが心配なく。黒豚を美味しく食べさせてくれる処の女将が言っていた。
 
「私たちはポジティブなの。桜島の噴火が起きた時はお祝いなの。喜んでいるのよ、桜島が……」
 
「そう捉えるのよ」と教えてくれた。

次ページ良い準備こそシーズンを戦い抜くうえでの鍵となる。

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