“夏冬得点王”青森山田のエース鳴海が「世界」で得た手応えとは?

2017年01月20日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

ゴールこそ奪えなかったが、起点はしっかり作る。

青森山田の鳴海はナイキアカデミー戦で攻撃の起点を作った。写真:ナイキ

 JFAとナイキの全面協力の下、1月16日からイングランド遠征中の青森山田高校が現地時間18日、プロ養成所『ナイキアカデミー』とのテストマッチに臨んだ。
 
「ぶっ潰してやります!」
 
 インターハイと全国高校選手権でダブル得点王に輝いた青森山田のエース鳴海彰人(3年)は、試合前に語ったその言葉通り、序盤からエンジン全開だった。
 
 4-1-4-1のCFという慣れ親しんだポジションに入った鳴海は、自らを「熱男」と評する通り幾度となく大声でボールを要求し、動き出しを繰り返す。チャンスがあれば積極的に仕掛け、12分には無回転ミドルでチームのファーストシュートを放った。
 
 また、175センチながら190センチ台がほとんどの屈強な相手DFとの競り合いも空中戦はともかく地上戦はほぼ互角。敵を背負いながらボールをキープし、確度の高いポストプレーを見せて、攻撃の起点を作ったのだ。
 
 しかし、肝心のゴールは奪えなかった。ペナルティーエリア前後まで侵入した29分、34分、36分、そしてボレーで狙った86分も、ゴールネットを揺らすには至らず。試合は結局スコアレスドローで終わった。
 
 それでも鳴海は、外国人選手を相手に手応えを掴んでいた。たしかに世界中から選抜されたプロ予備軍であるナイキアカデミーと互角の勝負を演じたことは、賞賛に値するだろう。
 
「大きいけど俊敏さはないので、走りながらやればキープもできました。最後のシュートは判断を迷ったのと足にきてて、ミスりました。悔しいです」
 
 ちなみに、今遠征はGK廣末陸(3年/FC東京入団)、DF小山内慎一郎(2年)、MF高橋壱晟(3年/ジェフ千葉入団)、MF郷家友太(2年)と2冠メンバーのうち4人が不参加。とりわけ鳴海にとっては、ずっと前線でコンビを組んできた2シャドーの高橋と郷家の不在は小さくなかったはずだ。しかし本人は、それを言い訳にはしない。
 
「陸も壱晟も郷家も慎一郎いなかったけど、自分たちのサッカーをいつでもどこでも、誰が出てもできるのが青森山田なので、ゴールを奪えなかったけど、失点しなかったのは良かったです」
 
 青森山田は現地時間20日に地元クラブチームと対戦予定。「次は取ります。2点くらい」と力強く言い放った鳴海のゴールに期待したい。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
【青森山田・英国遠征PHOTO】ナイキアカデミーと互角の勝負! 全選手&外国人選手との迫力のファイトシーン
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事