主役は「爆買い」の中国勢…2年で8度も更新されたアジアの移籍金記録

2016年12月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

世界を驚かせたアジア8つの移籍。

ヨーロッパでも指折りのストライカーだったフッキ(左)とジャクソン(右)。彼らがメガクラブからのオファーを蹴ってまで中国入りを決めたのはやはり金だろう。 (C) Getty Images

 現地時間12月23日、チェルシーは中国スーパーリーグの上海上港にブラジル代表MFのオスカールを売却したことを公式発表。スポーツメディア『ESPN』は、上海上港がオスカール獲得のために7000万ユーロ(約84億円)を費やしたと伝え、アジアサッカー史上最高額の移籍金として大きな話題となった。
 
 巨万の富を有する中国クラブとオイルマネーで財を成す中東クラブの投資により、「アジアの移籍金記録」は約2年間で8回も塗り替えられきた。アジアサッカー連盟(AFC)は、「世界を驚かせた8つの移籍」を紹介している。
 
 まず、初めに紹介しているのは、当時は現役ブラジル代表だったエベルトン・リベイロとセネガル代表でトルコの強豪フェネルバフチェでレギュラーだったムサ・ソウを同時に獲得した、アル・アハリ(UAE)の補強だ。
 
 アル・アハリは、2015年にクルゼイロから1500万ユーロ(約18億円)でE・リベイロを獲得してアジアの移籍金記録を塗り替えると、同年8月にフェネルバフチェからソウを1600万円(約19億2000万円)で迎え入れ、自ら新レコードを更新してみせた。
 
 その1年後にアル・アハリの投資額を遥かに上回る金額を提示して、世界を驚かせたのが中国勢だ。
 
 上海上港が広州垣大からブラジル人ストライカーのエウケソンを1850万ユーロ(約22億2000万円)で獲得した2016年1月21日から6日後に、江蘇蘇寧がチェルシーからブラジル代表MFのラミレスを2800万ユーロ(約33億6000万円)で獲得。
 
 さらに広州垣大が2016年2月3日にアトレティコ・マドリーからコロンビア代表FWのジャクソン・マルティネスを4200万ユーロ(約54億9000万円)で交渉を完了させると、その3日後には江蘇蘇寧がシャフタールのブラジル人MFのアレックス・テイシェイラを5000万ユーロ(約65億4000万円)で獲得した。
 
 わずか2週間で4度も移籍金記録を更新したことについてAFCは「世界的な見出しを作り、スターを東へと向かわせた」と綴っている。
 
 最後にAFCは、上海上港が今年6月にゼニトからブラジル代表FWのフッキを5600万ユーロ(約63億7000万円)で移籍したことも「テイシェイラの移籍記録をあっさりと打ち破った」と伝えている。
 
 これらの他にも、パリSGから河北華夏へと移籍したエセキエル・ラベッシやサウサンプトンから山東魯能に移ったグラツィアーノ・ペッレなど次々にビッグネームを乱獲する中国が、世界の移籍市場で大きな影響力を持つ流れはしばらく続きそうな気配だ。
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