「え、チエゴが?」浦和の駒井が絶句。南米の飛行機事故、元同僚が乗っていたと知り…

2016年11月29日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

それまで冷静かつ明晰に試合を振り返っていた駒井が目を大きく見開かせ――。

鹿島とのチャンピオンシップ決勝・第1戦での駒井は、右ウイングバックとして先発して再三にわたってサイドを切り裂き、勝利に貢献した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[Jリーグ CS決勝]
鹿島アントラーズ 0-1 浦和レッズ
2016年11月29日/カシマスタジアム

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「本当に!? え、チエゴが? 乗っていたんですか?」
 
 それまで冷静かつ明晰に試合を振り返っていた駒井が目を大きく見開かせ、声を強め絶句した。
 
 ブラジルのクラブチーム、シャペコエンセの選手ら81人を乗せたチャーター機が、現地28日深夜(日本時間:29日)にコロンビア第二の都市メジデンの近くの山岳地帯で墜落。日本時間の29日午後11時半現在、現地報道によると、81人のうち5人のみの生存が確認されたと伝えられている。
 
 シャコペンセは、南米クラブ王者を決めるコパ・スダメリカーナ決勝の第1戦、対ナシオナル戦に臨むため、ボリビアからコロンビアに向かっていたと見られる。南米サッカー連盟は、12月1日に予定されていた現地での試合と、同6日のシャコペンセのホームゲームの延期を決定している。
 
 その飛行機には多数の元Jリーガーが乗っていた模様。乗客名簿には元京都のチエゴ、元柏のクレーベル、元川崎のアルトゥール・マイア、元C大阪のケンペスの名前が記載されていたという。
 
 生存者の中に誰が含まれているかは不明。その一報を聞いた駒井は、「助かった? チエゴが?」と混乱していた。
 
「チエゴは僕が高校時代に何回か練習参加した時にいた選手で、とても球際が強くて、一目置かれていた。一緒にプレーする機会は少なかったですけど、僕は(京都のホームである)西京極で彼のプレーを見ていました」
 
 駒井は自身のユース時代、当時一緒に汗を流したチエゴのことを思い出し、複雑な表情を浮かべていた。
 
「自分に関わりのある選手がその飛行機に乗っていたなんて……ちょっと今はなんて言葉にしたらいいか分からないです。ケンペスも相手チームとして対戦しているので知っていますが……」
 
 駒井は祈るように言葉を選んでいた。ただ、無事であってほしい、と。
 

次ページ京都で小学時代から育てられた駒井。高校の2種登録時代にチエゴとも練習で顔を合わせる。

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