清武、後半からの出場で先制点に絡むも、消化不良の45分間に…

2016年11月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

セビージャは辛勝ながら勝点3を積み上げ、暫定で2位に浮上。

決勝点のパレハ(左)に駆け寄る清武(中央)。停滞ムードを打破するために投入されたが、自身もそれに飲まれてしまった格好だ。久々の出場であり、致し方なしの部分もあるが……。 (C) REUTERS/AFLO

 11月26日(現地時間)、リーガ・エスパニョーラ第13節が行なわれ、セビージャはバレンシアを2-1で下した。
 
 3位のセビージャにとっては、ホームに下位チームを迎えるということで勝点3奪取は義務でもあったが、試合は序盤から両チームともに激しいプレッシャーをかけ合って、互いの良さを消し合う内容のものとなった。
 
 セビージャは選手が頻繁にポジションを入れ替えることで相手を翻弄してチャンスを生み出そうとするが、バレンシアは守備に多くの人数を割いてこれに対応する。
 
 20分ぐらいまでは、セビージャは相手のゴール前にたびたび迫ることができたが、ここでは連係のズレやアイデアの乏しさで決定機には結び付けられず。21分にカウンターからバスケスがフリーでシュートを放ったのが、最大の好機だった。
 
 一方、バレンシアは連係でセビージャの守備を崩す場面はほとんどなかったものの、前線でのチェイシングによって相手のパスミスを引き出し、ナニらが何度か惜しいシュートを放ったものの、ゴールマウスを捉えることはできなかった。
 
 ともに決定的なプレーを見せられないまま、前半は終了。するとセビージャは、膠着状態を打破するため、後半から清武を投入する。リーガでは4節のエイバル戦以来、公式戦では11月2日のチャンピオンズ・リーグ、ディナモ・ザグレブ戦以来の試合出場となった。
 
 ピッチに登場してから8分後、清武が右サイドで縦パスを送ると、ボールを受けたビトーロが切り返しからクロスを入れる。これをCBのガライが身体でブロックするも、ボールは軌道を変えてゴールに吸い込まれていった。
 
 このオウンゴールによってセビージャが勢いに乗るかと思われたが、この日は連係プレーが機能せず、効果の薄い単発な攻撃に終始していると、徐々にペースはバレンシアに移っていく。
 
 15分にロドリゴ、17分にナニが好機を掴んだアウェーチームは、65分、絶妙の飛び出しで右サイドのカンセロからスルーパスを引き出したムニルが、左アウトサイドで巧みなシュート。ボールは左ポストを叩きながらゴールラインを割り、同点ゴールとなった。
 
 その後しばらくは、バレンシアの方が効果的な攻撃を見せる時間が続いたが、セビージャは75分、CKからこぼれ球をCBのパレハが拾ってゴール右隅に決め、勝ち越しに成功する。
 
 以降はバレンシアの反撃をセビージャが抑え、アディショナルタイムでのガヤの決定的なシュートもGKリコが果敢な飛び出しで防いで、リードを守り切った。
 
 セビージャのゴールは、幸運(オウンゴール)とセットプレーによるものであり、引いた相手に対して理想とする攻撃はほとんど見せられず。まさに辛勝で、何とか勝点3を手にしたかたちである。
 
 得点に絡んだ清武は、スムーズにボールを処理し、常に最適のポジショニングを探りながら、同時に執拗なチェイシングでボールを奪った。しかし一方で、攻撃に良いかたちで絡めることは稀であり、時折、悪いかたちでボールを失ったり、パスカットされたりもした。
 
 アディショナルタイムには突破を試みるも、2人目でカットされたことがきっかけで相手にFKを与え、前述のガヤの決定機に結び付けられた。もし同点とされていたら、責任を問われていたかもしれない。
 
 チーム全体が低調、そして自身は久々の出場ということで周囲との連係が機能せず……。清武にとっては消化不良の45分だったと言えるだろう。
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