【指揮官コラム】カターレ富山監督 三浦泰年の『情熱地泰』|立山は早くも雪化粧。今季ラストゲームは冬の訪れとともに…

2016年11月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

毎日通った通勤コースは刺激と感動が感じられる風景だった。

今季も残すところあと1試合。毎試合応援してくれるサポーターのためにも、最後まで全力を尽くす覚悟だ。(C)SOCCER DIGEST

 富山駅南から鉄道の高架下を潜り抜け、練習場のある草島まで約15分。わずか信号機5つを通り過ぎると、練習場にたどり着く。
 
 富山で有名な世界一美しいと2008年に認定されたスタバを横目に、環水公園脇を通り抜け、神通川河川敷を走り、橋を高岡側に渡れば草島だ。
 
 渋滞もほとんどなく、時間が有効に使える。そして、その毎日の通勤コースには刺激と感動が感じられる。なぜなら、同じ風景が毎日の様に変わるからだ。
 
 神通川の水の流れは、日によっていつも違って見える。強い流れを感じる時もあれば、穏やかな流れに感じる時もある。水の色、量も違う。この川は通るたびに、異なる顔を見せてくれるものだ。
 
 そしてこの時期になると、立山連峰も雪景色がはっきり確認できる。つい先日まで雪のない立山がいきなり雪化粧をしているのだ。
 
 富山の寒さもスタートしたのであろう。少しずつ寒さも増してきている。
 
 毎日のトレーニング準備でも芝生の芽が吹いているのを確認できたりするし、雨が多く振った翌日にはキノコが生えていた。冬から春、春から夏と季節は移り変わり、短い秋を駆け抜け、もう寒くなって冬が訪れようとしている。
 
 芝生もよくもってくれた……。
 
 この時期の富山の気候は変わりやすく、一日の中で(いや数時間の中で)四季を感じるほどに暑くなったり、寒くなったり、あるいは穏やかな日差しになったり。当然、氷が降った後に雨になり、さらにカンカンに晴れてから、また曇るなんていうのもある。
 
 金屏風のようにバックで富山を引き立てる立山連峰は富山の守神のようで、変幻自在に変わりやすく、読みづらい天気は、富山のミステリアスなポテンシャルだと思うべきだ。
 
 ついにシーズンが終わる。2節を残し、昇格がなくなった。
 
 最終節(30節)を前に、昇格は不可能となり、今シーズンの富山の目標は実現しなかった。
 
 これから富山もこの大自然のような変幻自在なしなやかさを持って躍進していかなくてはならない。僕の監督としての野望もまだまだ続く。
 
 今季リーグ戦は、残すところ1試合。危機感と緊張感のある準備をして、良い試合をしたい。1年間続けてきたことを、もう1週間繰り返して今季のラストゲームに臨みたい。
 
 ありがとう! 富山!
 
2016年11月15日
三浦泰年
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