【プレー分析|清武弘嗣】新たな“相棒”・大迫と絶妙なハーモニー。攻撃の中心に清武がいた!

2016年11月15日 小田智史(サッカーダイジェスト)

キープ力に長ける大迫との相性は抜群。「トップ下・清武」の輝きが増す。

文字どおり攻撃を司った清武は、トップ下で強烈な輝きを放った。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

[ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 2–1 サウジアラビア/11月15日/埼スタ
 
 グループ首位のサウジアラビアとの大一番、日本のトップ下には香川真司ではなく、清武弘嗣がスタメン起用された。ファーストプレーは2分。大迫勇也の落としに反応し、カットインからシュートを放つ。その後も5本連続でパスを成功させるなど、清武は中央からの攻撃を牽引した。

 サウジアラビアも2ボランチとCB1枚でトライアングルを作り、清武を包囲してパスコースを塞ぐ。
それでも、20分すぎから清武が中央と右サイドに流動的にポジションを取る始めると、日本に流れが傾き始める。特に目を引いたのが、大迫との絶妙な距離感だ。厳しいマークを受けながらも大迫が足もとでボールを収めることで、清武のプレー回数が急増。PKを獲得した43分のプレー前も、サイドのプレーヤーと大迫との連係で相手ゴールに迫っている。
 
 清武は最終予選のイラク戦後、「ハリルさんのサッカーでは、なかなかトップ下はボールをたくさん触る感じにはならない。出して動いて、出して動いてを繰り返すしかない」と話していた。サウジアラビアの寄せがそこまで厳しくなかった追い風があったとはいえ、キープ力のある"相棒"の存在によって、「トップ下・清武」の輝きが増した。清武も「サコ(大迫)のところで収まる。これが良いバリエーションになれば」と手応えを語っている。
 
 プレーエリアに目を向けると、アタッキングサードとミドルサードで50パーセントずつ。より高い位置から攻撃に転じることができた。また、久保裕也とのパス交換が多かった影響で右サイドに偏った前半から一転、後半は原口元気や長友佑都のいる左サイドにも顔を出しており、展開に合わせてポジションを変えている。64分に香川真司と交代した清武は、「もう少しリズムを作ってあげたかった」と自己評価は厳しかったが、チームは間違いなく彼を中心に動いていた。
 
 
【清武のプレーデータ】※以下、( )は前半/後半の回数。データは編集部集計
出場時間:64分(途中交代)
プレー回数:36回(26回/10回)
→アタッキングサード 18回(13回/5回)
→ミドルサード 18回(13回/5回)
→ディフェンシブサード 0回(0回/0回)
 
パス数:28回(20回/8回)
パス成功数:22回(17回/5回)
パス成功率:78.6%(85.0%/62.5%)
 
シュート数:4回(3回/1回)
ボールロスト:8回(5回/3回)
 
▼清武がパスを受けた回数(選手)ランキング
1位/大迫勇也/9回(6回/3回)
2位/長谷部誠/5回(5回/0回)
    山口 蛍/5回(5回/0回)
4位/森重真人/3回(1回/2回)
5位/原口元気/1回(1回/0回)
    酒井宏樹/1回(0回/1回)
    吉田麻也/1回(1回/0回)
    長友佑都/1回(0回/1回)
 
▼清武がパスを出した回数(選手)ランキング
1位/大迫勇也/7回(4回/3回)
    久保裕也/7回(7回/0回)
3位/山口 蛍/4回(4回/0回)
4位/原口元気/3回(3回/0回)
5位/吉田麻也/2回(2回/0回)
    長友佑都/2回(0回/2回)
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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