【新潟】九死に一生を得た残留劇に対する“マツケン”の見解は? 「来年、J1でリベンジできると思えば…」

2016年11月04日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「守備はあまり好きじゃないけど、チームの目標を達成することを第一優先にした」

松原は「あまり好きじゃない(苦笑)」守備をこなし、何とか最少失点で切り抜けた。残留に関しては「降格したら元も子もない」と前向きに捉える。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第2ステージ17節]新潟0-1広島/11月3日/デンカS
 
 残留を懸けた最終戦、松原健は葛藤と戦っていた。
 
 周知のとおり、松原の持ち味はダイナミックな攻撃参加である。しかし、16位の名古屋とは勝点30で並び、得失点差で3ポイント上回る状況で、「まずは負けないことを意識した」(松原)新潟は、DFの枚数を増やした5バックでゲームに臨んだ。その結果、右SBの加藤大のカバーに回り、オーバーラップに出て行く場面はほとんどなかった。「だいぶ自分を抑えていたか」と問われた松原は、思わず本音を吐露する。
 
「自分自身、守備があまり好きじゃない(苦笑)。どちらかと言うと、前に出て攻撃に参加していければ良かったですけど……、まずはチームのために目標を達成することを第一優先にしました」
 
 21分に成岡翔の不用意なパスミスから先制点を献上してからは、さらに"カウンター色"が強くなった。攻撃の圧力を高めてビハインドを取り戻す選択肢もあるが、名古屋との得失点差を考えると、複数失点のリスクは避けなければいけない。松原は、上がりたい気持ちをグッとこらえ、守備で身体を張ることに注力した。ホームラストゲームに敗れながら、残留を勝ち取れた背景には、徹底した「割り切り」が追い風になったと言えるだろう。
 
「この結果(残留)に関しては良かったと思います。これで(試合に)負けて、J2に降格したら元も子もないですから。また来年、このステージ(J1)でリベンジできると思えばポジティブに捉えられるし、みんなもそう思っているはず」
 
 近年、松原は怪我に悩まされ続け、今年の5月下旬にようやく実戦復帰を果たした。「自分が出ていたら、どうにかできていたかな、という試合もあった」。ずっと抱えてきたチームの力になれなかった申し訳ない気持ちは、来年、J1の舞台で晴らすつもりだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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