【日本代表】殊勲の吉田がパワープレーの是非論を一蹴。「今日は勝ちましたよね」

2016年10月07日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「みんな『行け、行け!』と言うし、僕もタイミングを見て行こうと思っていた」。

前線のパワープレーで、決勝弾につながるFKを獲得した吉田。「タイミングを見て上がって行こう」と思っていたという。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 2-1 イラク/10月6日/埼玉
 
 1-1で迎えた81分、日本は本田圭佑に代えて小林悠を投入。その7分後、吉田麻也は最終ラインから前線へとポジションを上げた。今後の戦いを見据えても重要な一戦、ましてやホームゲームで勝利以外は許されない。選手たちの気持ちはみな一緒だったのだろう。パワープレーへの切り替えは、ピッチ内の選手で判断したという。

【W杯最終予選PHOTO】日本 2-1 イラク|山口、執念の決勝ボレー弾!

「ハセさん(長谷部誠)とか、(原口)元気とか、みんな『(前線に)行け、行け!』と言うし、まあ僕もタイミングを見て行こうと思っていたので」
 
 90分、90+1分とロングボールに競り勝って、浅野拓磨のチャンスを立て続けに演出。さらに吉田の"奮闘"は続く。90+4分、懸命にこぼれ球を追いかけてボールをキープすると、相手のファウルを誘い、山口蛍の決勝弾を呼び込むFKを獲得した。

 劇的なゴールが生まれたのはもちろん、「やってやったぞ!」という想いもあったのだろう。ベンチの選手たちと喜びを分かち合う際、何度も大きなガッツポーズを見せていた姿が印象的だった。
 
 2次予選を含め、吉田がパワープレーに出る試合は何度かあったが、目に見える結果を出したのは初めてと言っていい。長身FWを招集しないなかで、パワープレーを採り入れることには非難の声が上がるかもしれない。この日も、海外メディアから「パワープレーについてどう思うか?」と問われる一幕があったが、吉田は「今日は(パワープレーで)勝ちましたよね」とプライドを覗かせた。
 
「パワープレーの練習はしていません。でも、みんな共通理解で分かっているから、難しいことではないかなと。まあ、パワープレーがいいかどうかは皆さんが書いてください」

次ページ「今日はハッピーエンドで終わったけど、もっと効果的な攻め方を見出していかないと」。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事