【ハリルへの推薦状】FWは勢いが重要。7戦・6発と“爆発中”の長沢駿を今こそ呼ぶべきだ!

2016年09月28日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

ポストプレーの精度では前田遼一に上回られたが、とにかくゴールの嗅覚が冴えわたっている。

ハリルホジッチ監督が視察に訪れたFC東京戦では、左足で貴重なゴールをゲット。この勢いを日本代表に持ち込み、チームを活性化させたい。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 G大阪の192センチの長身FW長沢駿が、8月からの公式戦で7試合・6ゴールと"爆発中"だ。ハリルホジッチ監督が視察に訪れた9月25日のFC東京戦(3-3で引き分け)でも、藤春廣輝のクロスに対し、上手くDFのマークを外して左足を振り切り、鋭いシュートを突き刺してみせた。「ボールがこぼれてくるのを感じ取ることができた」という、まさにストライカーとしての嗅覚を発揮しての一撃だった。
 
「何人かをチェックにしに来た」というハリルホジッチ監督の目当てのひとりは、間違いなく長沢だった。ただし一方で、「身長もあり、面白い選手。もう少し練習を続けてほしい」とも注文を付けられた。
 
 この試合のボール支配率は、G大阪から見て43.4パーセント対56.6パーセント。G大阪があえてカウンターを狙ったための数字ともいえるが、試合全体をとおして相手に主導権を握られていた印象は強かった。
 
 その要因のひとつとして、CFの長沢になかなかボールが収まらなかったことが挙げられる。森重真人と丸山祐市という日本代表CBに思うように勝てず、長沢のところで起点を作らせてもらえなかった。その点、FC東京の元日本代表、前田遼一は確実にボールを収めて数々のチャンスを作り出し、ポゼッション率を高める役目もこなしていた(長沢とは逆に、シュートへの執着がやや弱かったか)。
 
 とはいえ、ストライカーはその時々の調子がものを言うポジションだ。現在の好調ぶりとコンディションの良さを買って、28歳と脂にのる長沢をA代表に"サプライズ招集"する手はありだ。試合出場の機会に恵まれずにいる欧州組のアタッカー陣への刺激にもなるに違いない。

取材・文:塚越始(サッカーダイジェスト編集部)
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