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【今さら聞けないサッカー用語:8強の壁】世界の上位国との差が凝縮される地点。メキシコでは「5試合目」という言葉が定着

カテゴリ:連載・コラム

河治良幸

2026年05月07日

特に日本代表に対して使われる

W杯までに知っておきたいサッカー用語の第36弾。今回は「8強の壁」を解説。(C)Getty Images

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 聞いたことはある、何となく意味も分かる。でも、詳しくは知らない。そんなサッカー用語を解説。第36弾は「8強の壁」だ。

――◆――◆――

 ワールドカップでベスト8進出を阻む高いハードルを指す言葉で、特に日本代表に対して使われることが多い。厳しいグループステージを突破し、決勝トーナメントには進むことができても「本当の戦い」のスタートとなる一回戦に敗れて、その先のベスト8には届かない状況が続いているのだ。

 日本は初出場となった1998年のフランス大会で3戦全敗に終わったが、2002年の日韓大会でベルギー、ロシア、チュニジアと同居するグループを突破してベスト16に進むと、10年の南アフリカ大会、18年のロシア大会、22年のカタール大会もベスト16に進出している。しかし、いずれも“ラウンド16”とも呼ばれる決勝トーナメントの1回戦で敗退し、まだ一度もベスト8に到達していない。

 それらすべての試合が、あと一歩だった。10年のパラグアイ戦、22年のクロアチア戦は延長戦でも決着がつかず、PK戦での敗退。18年のベルギー戦も2点を先行しながら相手のパワープレーに引き込まれ、最後は「ロストフの14秒」として強く記憶されるCKからのカウンターで失点し、逆転負けを喫した。
 
 単純な実力差だけではなく、試合運びや経験、勝負強さや試合終盤の駆け引きなど、世界の上位国との差が凝縮される地点として、「8強の壁」が使われるようになったのだ。

 この表現は日本だけのものではない。同じくベスト8に届かない国として有名なのがメキシコだ。メキシコは94年から22年まで7大会連続で決勝トーナメントに進出しながら、すべてベスト16で敗退。70年と86年の自国開催を除けば、一度も8強入りしていない。そのためメキシコでは、「5試合目(キント・パルティード)」という言葉が定着し、ワールドカップでのベスト8入りが国民的な悲願になってきた。

 その一方で、14年のコスタリカのように、ほぼノーマークの状態から、その壁を一気に突破した例もある。英雄ロジェ・ミラを要した90年イタリア大会のカメルーン、ランドン・ドノバンが攻撃を引っ張った02年日韓大会のアメリカなども好例だ。

 94年のアメリカ大会では、フリスト・ストイチコフを絶対エースとするブルガリアが、ベスト4にまで駆け上がった。実力と勢いも「8強の壁」を越えていく大きな要因になりうる。

 ただ、26年の北中米ワールドカップからは大会方式が変わり、出場国が48に増えたことで、決勝トーナメントはラウンド32からスタートする。それが「8強の壁」にどう影響してくるのか。

 日本はグループFを突破した場合、1回戦のラウンド32でC組の“二強”と言われるブラジルかモロッコに当たる可能性が高いと見られる。しかし、そこを突破すれば、ラウンド16にも勝利して一気に「8強の壁」を突き破るかもしれない。

 ワールドカップで優勝を目標に掲げる森保ジャパンだが、まずはグループステージ、そして新たに生まれたラウンド32、さらにラウンド16の戦いの流れで、順を追って見守っていきたい。

文●河治良幸

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