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合言葉は「限界突破」。三浦ジュビロの5連戦必勝プラン。新指揮官のマネジメントを発揮するには格好のシチュエーションだ

カテゴリ:Jリーグ

河治良幸

2026年04月28日

多くの選手にチャンスが与えられる可能性は高い

志垣監督の契約解除を受け、コーチから昇格した三浦監督。経験豊富な55歳の手腕に注目が集まる。写真:河治良幸

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 ジュビロ磐田は指揮官交代という転換点を経て、三浦文丈監督による新体制がスタート。その初陣となった4月25日のFC岐阜とのホームゲームは、地元小学生の一斉観戦というパワーも得る形で、1-0の勝利を飾った。

 前体制が構築してきたリソースを活かしながらも、チームが勝って成長していくために必要なエッセンスが何かを提示するゲームでもあった。

 岐阜戦に向けて、三浦監督は就任から実質3日間という準備期間で、シンプルにやるべきことを整理。選手の前向きに戦う気持ちを引き出し、相手の対策を含めた方法論を提示することで、チームを集約させた。

 守備では5-4-1のブロックを基盤に相手の侵入経路を制限しながら、ボールを奪う好機を逃さず攻撃にパワーをかけて仕留める。

 その意図はピッチ上で反映された。岐阜はポゼッション能力の高いチームだが、大半のゴールがカウンターから決まっている傾向を分析して、そのリスクを最小限にしながら効果的な前進で、相手の矢印を折っていくプランが、選手の前向きな意識とうまく噛み合った形だ。

 もちろん、そうした流れの中で、追加点を取るべき時に取り切れず、終盤は1点のリードを守り抜くプランを取る以外になかったことは、過密日程の5連戦となる、ここからの戦いにも通じる反省材料だ。
 
 藤田俊哉スポーツダイレクターは、三浦監督について「選手がピッチに立ってトライするための基準を明確に示すことができる。勝点3を取りに行く。そういう戦う集団の中で、フットボールを積み上げていくことができる指導者」と説明する。そのための方向性の一端は岐阜戦でも見られたが、チームの総力戦となるGWの5連戦は思い切った選手起用も問われてくる。

 4月27日のトレーニングで、三浦監督は岐阜戦のサブだった選手、第一子の誕生で一時離脱していたDFの加藤大育も含むベンチ外だった選手たちのメニューに立ち会い、フィジカルコーチが主体となるセッションでも、横から観察するだけでなく、ことあるごとに声で激励した。

 前体制からチームキャプテンを担う角昂志郎も「本当に細部までこだわっている監督。志垣(良)さんも、その前のジョン(・ハッチンソン)監督も見てくれてはいた。でも選手からすると、ちゃんと見てくれているんだっていう信頼にもつながると思うので。全部のメニュー、細部が繋がっているよというのは、選手もすごく理解できているかなと思います」と語る。

 この5連戦は三浦監督のマネジメントを発揮するには、格好のシチュエーションと言えるかもしれない。

 5連戦の2試合目となる松本山雅FC戦の選手起用に関して、ここで詳細を明かすことはできないが、指揮官が強調していたのは「松本戦にベストなメンバーを出します」ということ。この言葉をどう解釈するかは読者に委ねたいが、1つ言えるのはこの5連戦で、多くの選手にチャンスが与えられる可能性は高い。

 その理由について、三浦監督は「素直にそう思うから」と笑顔を見せた。サブの選手たちも磐田に加入し、そのエンブレムを背負っている時点で、主力を食っていくぐらいのポテンシャルはあると期待するからこその言葉だ。

 これまで、なかなか出番を得られていない選手には、アカデミー育ちの石塚蓮歩や高卒ルーキーの増田大空のような若手もいれば、怪我から復帰してきた為田大貴のようなベテランもいる。彼らに向けて三浦監督が強調するのが「限界を自分で決めるな」ということだ。

 三浦監督は「みんな力があるぞって、すごく言ってます。絶対に力があるんだから、絶対やれるはず。ただ、限界を決めるなと。やれてるんだけど、もっとやれるぞと。そういう意欲でやらないと、ここから絶対に上達しない。これでいいや、今がいいやと思ったら、もうそこから成長しないと思うから。限界突破しろと」と、まるで目の前の記者が選手の1人であるかのように、熱っぽく語った。
 
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