【U-16日本代表】久保建英らアタッカーに負けず劣らず。充実のCB陣が世界への鍵を握る

2016年09月07日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

経験値が重要なポジションだからこそ、本大会での成長にも期待。

神戸U-18の小林を含めて、招集したCB陣の才能は「順調に成長すれば、植田(鹿島)と岩波(神戸)のような期待値がある」と森山監督も認めるところだ。写真:徳原隆元

 9月15日からインドで開催されるU-16アジア選手権。来年のU-17ワールドカップ出場権獲得を目指して、森山佳郎U-16日本代表監督と23名の選手たちが世界の扉を開くための戦いに挑もうとしている。
 
 そんなチームにあって、注目を浴びるのがバルセロナ帰りの久保建英(FC東京U-18)を擁するアタッカー陣だ。欧州屈指の名門で経験を積んだ15歳の他にも、中村敬斗(三菱養和ユース)や宮代大聖(川崎U-18)ら、才能豊かな選手がズラリと並ぶ。
 
 だが、タレント揃いの前線に負けず劣らずの逸材がひしめくポジションがある。「彼らがいる、いないでは大きく違う」と森山監督が期待を寄せる小林友希(神戸U-18)と瀬古歩夢(C大阪U-18)。そして、「大きくて動ける選手がいないなかでかき集めた」という監物拓歩(清水ユース)、関川郁万(流経大柏高)を加えたCBだ。
 
「順調に成長してくれれば、植田直通(鹿島)と岩波拓也(神戸)のような期待値がある」と、森脇良太や槙野智章(ともに浦和)を広島ユース時代に育てた指揮官に言わせる4人の特長はどこにあるのか。森山監督の言葉を借りながら紹介する。
 
 まず、先ごろ行なわれた日本クラブユース選手権(U-18)でもスタメンに名を連ねた小林。貴重な左利きである俊英は、「カバーリング能力が高く、身長もまだ伸びるはず(現在は180センチ)」。
 
 瀬古には「ビルドアップ能力が持ち味。かなりのレベルのキックを持っている」との評価。監物は「もう絶対に呼ばないとか思いながら、我慢して我慢して、招集し続けた。まだまだ足らない部分は多いが、小林と同じく左利きで、背が高く(186センチ)、スピードもある」とのこと。
 
 CB陣だけでなく、代表メンバーでも唯一の高体連所属の関川に対しては、「180センチだがヘディングの強さは一番。監物同様に課題は多いが、エアバトルで最も強い」。
 
 ある程度の総合力を担保しながら、4人がそれぞれカバーリング、ビルドアップ、スピード、ヘディングと一芸を有する構成となっている。彼らの武器を最大限に生かしつつ、ゴール前でどれだけ防波堤となれるか。そのパフォーマンスがそのまま勝敗に直結すると言っても過言ではないだろう。
 
 また、経験値が重要な要素となるポジションだからこそ、大会を通じての伸びしろにも注目したい。2000年生まれの4人の成長が、もしかしたら4年後の東京五輪でのメダルにまでつながっているかもしれない。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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