攻撃陣沈黙のセビージャ、辛うじてドロー……清武は良さ出せず途中交代

2016年08月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

全体の動きが遅く、開幕戦のような痛快な攻撃は見られず…。

清武は序盤から良くも悪くも無難。そして停滞するチームのなかで、徐々にその存在感は希薄になっていった。 (C) Getty Images

 8月28日(現地時間)に行なわれたリーガ・エスパニョーラ第2節、セビージャとビジャレアルの対戦は、スコアレスドローに終わった。
 
 開幕戦で1ゴール1アシストと結果を残した清武が2試合連続でスタメンに名を連ねた試合は、ホームのビジャレアルが立ち上がりから主導権を奪う。8分には、セビージャDFのクリアボールを拾って、ソリアーノがファーストシュートを放った。
 
 セビージャは序盤、エスパニョールとの派手な撃ち合いの末に6-4の勝利を収めた第1節同様、攻撃陣が激しくポジションを入れ替えて相手守備陣を翻弄しながら、細かくパスを繋いで相手陣内に突き進もうとするが、全体の動きが遅く、効果的な攻撃を見せられない。
 
 一方のビジャレアルは、セビージャに厳しいプレッシャーをかけてボールを奪い、シンプルながらも素早くボールを繋いでのサイド攻撃で、徐々に相手ゴールに迫っていった。
 
 これに対しセビージャは、開幕戦に比べると明らかに守備意識を高く持っていたこともあり、ホームチームの攻撃を何とか凌いで前半を終えた。
 
 清武は、停滞したチームのなかで、縦横によく動いて状況を打開しようと努めるも、良いかたちでボールを得ることはできず、また自身が周囲を活かしたり、自ら仕掛けてチャンスを生み出したりすることもないままに、時間は過ぎていった。
 
 後半に入ると、ビジャレアルは立ち上がりから攻勢を強め、相手のファウルを誘って、立て続けに好位置でFKのチャンスを得る。
 
 56分、エヌゾンジのパスをカットしたビジャレアルは、ボレが惜しいシュートを放つ(GKリコがセーブ)。60分にはセビージャのお株を奪うパスワークからマヌ・トリゲロスがフィニッシュに持ち込むも、リコの手を弾いたボールは、クロスバーにはね返された。
 
 66分にもボレがペナルティエリア内の右サイドから決定的なシュートを放つも、またもやリコの好セーブに遭う。70分には、エヌゾンジをうまく囲い込んで好位置でボールを奪ったが、サンソーネのダイレクトシュートはクロスバーの大きく越えた。
 
 対するセビージャは、61分に清武を下げてベン・イェデルを投入するも、攻撃に火は入らず、ビジャレアルの堅守の前に、フィニッシュにすら持ち込むことができない。
 
 70分にマリアーノが苦し紛れのロングシュートを放ち、その2分後にはエヌゾンジのスルーパスにビエットが抜け出そうとするも、相手の懸命のディフェンスに阻まれた。
 
 ともに決め手を欠いたまま迎えた88分には、セビージャのCKがポストを直接叩くという場面もあったが、最後までゴールネットが揺れることなく、多くのチャンスを作ったビジャレアル、良さが出せなかったセビージャの対峙は、痛み分けに終わった。
 
 今シーズンの公式戦では初の無失点だったセビージャだが、押し込まれ、簡単にシュートチャンスを与えたりする場面が多く、GKリコの再三にわたる好セーブに救われたというのが実情である。
 
 加えて、持ち味である勢いと厚みのある攻撃をほとんど披露することもできず、開幕戦以上に多くの課題を残すこととなった。
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