福岡が金明輝前監督の“コンプラ違反”内容を公表。選手たちが「緊急で話し合い」始めるほどの叱責行為…会長と社長が引責辞任

2026年01月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

3つのコンプライアンス違反が確認

福岡が金前監督の解任に至ったコンプラ違反に関する調査結果を公表した。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 アビスパ福岡が1月14日、金明輝前監督との契約解消に至ったコンプライアンス違反事案に関する調査結果を公表し、謝罪。第三者弁護士による調査で複数の違反事案が確認されたとし、クラブの管理監督責任を認め、結城耕造代表取締役社長の辞任を含む関係者の処分と再発防止策を発表した。

 福岡はまず、「金明輝氏との契約解消に至った経緯により、精神的なご負担をおかけした皆様に対し、心よりお詫びを申し上げます」と謝罪。ファン・サポーターやパートナー企業など関係者に対しても、迷惑と心配をかけたことを重ねて詫びた。

 クラブは昨年末より、第三者である弁護士によるヒアリングを含む事実関係の確認および調査を実施。その結果を踏まえ、2026年1月4日付で金氏との監督契約を合意解約し、翌5日に公表していた。

 調査によると、現時点で以下の3つの事案がコンプライアンス違反と確認された。なお、暴力等の有形力の行使は確認されていないという。

 1つ目は、複数回、多数のスタッフが同席する状況下で、特定のスタッフまたはスタッフ全員を指し、その業務能力を揶揄する発言や精神的に追い込む発言をしたこと。クラブはこれについて、発言内容が指導との関係で不必要かつ不適切だったとの見解を示した。

 2つ目は、令和7年11月、多数のスタッフや選手がいる中で、特定のスタッフに対し不適切な方法で叱責を行なったこと。この叱責は、周囲が危機感や不安を持つほどのもので、グラウンド上の選手らが不満を持ち緊急で話し合いを始めるほどの剣幕だったという。クラブは、衆人環視の中でこのような指導や叱責を行なう必要性はなく、選手らに不信感を与えた影響は無視できないと判断した。

 3つ目は、同じく令和7年11月、スタッフの本来業務に含まれない業務を要求し、その遂行が不十分と感じた際に、周囲から見える状態で強い叱責を行なったこと。これはスタッフに対する過大な要求であり、叱責の態様も不適切だったと結論付けた。
 
 クラブは、これらの事案について個別の行為内容のみならず、過去の経緯や継続性、クラブの管理体制などを総合的に考え、金氏との監督契約を継続することは適切ではないと判断。双方協議のうえで契約を合意解約するに至ったとしている。

 また、本件は特定の個人のみが責任を負うべき事象ではなく、クラブとしての管理監督体制にも重大な課題があったと認識を示した。

 クラブは、第三者弁護士によるヒアリングを踏まえ、3項目において管理監督義務違反が認定されると判断。具体的には、強化部長から経営会議への問題事象の報告基準が確立されていなかったこと、経営会議がコンプライアンス違反を適時・適切に把握し、是正する体制が不十分だったこと、社外弁護士事務所を含む通報窓口の周知が不十分で実効性を欠いていたことを挙げた。

 この管理監督責任を明確化するため、以下の処分を発表した。

《常勤取締役》
・結城耕造 代表取締役社長:取締役辞任(1月31日付)
・山口均  代表取締役副社長:減俸10%(3か月)

《非常勤取締役》
・川森敬史 取締役会長:会長辞任(取締役として留任)
・立石敬之 取締役副社長:副社長辞任(取締役として留任)

《その他》
・柳田伸明 チーム強化部長:強化担当へ降格、減俸10%(3か月)
・前田賢悟 管理部部長:けん責(出向解除)

 再発防止策として、クラブは「コンプライアンス対策室」の設置を検討している。担当役員、弁護士、人事労務の専門家で構成され、報告基準の明確化や内部通報制度の再確認、モニタリングなどを行なう。

 その他、クラブハウスへのサーベイランスカメラの設置、定期的な研修などの啓発活動の強化、全役職員からのコンプライアンス宣言書の差入れなどを検討している。

 新体制としては、コンプライアンスやガバナンス強化を担当する取締役1名を新たに選任し、経営監督機能の強化を図る方針だ。

 クラブは、精神的な負担をかけた関係者に対し謝罪のうえで現在の心境などを聞き取っており、今後も誠心誠意対応していくとしている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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