図抜けた選手層だからできるプロ内定者の起用法。神村学園が夏冬連覇へ6発猛烈発進!一方で課題も「気持ち良くサッカーしてもらっていいけど…」【選手権】

2025年12月31日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

愛知県を制した東海学園に6-0で大勝

ハットトリックを達成した日髙元(13番)。写真:滝川敏之

 12月31日に開催された高校サッカー選手権2回戦で、直近のインターハイを制した神村学園(鹿児島)が、東海学園(愛知)とニッパツ三ツ沢球技場で対戦。ゴールラッシュを見せ、6-0で大勝した。

 プロ内定者3選手(DF中野陽斗(3年、いわき内定)/MF福島和毅(3年、福岡内定)/FW徳村楓大(3年、町田内定)を擁する優勝候補は、19分にFW倉中悠駕(3年)が先制点を奪ったのを皮切りに、ハーフタイムまでに4ゴール。後半にも2点を挙げたなか、FW日高元(3年)はハットトリックを達成した。また、シュート数でも19-0と圧倒した。

 上々の出来だ。「良いプレーがたくさんあった。サイドからもいけるし、より中を崩せるようにトレーニングしてきたので、そういう部分は見られた」と手応えを示した有村圭一郎監督は、3発の固め打ちを見せた日髙に関して、こう語った。

「プレミア(プレミアリーグWEST)の終盤からずっと調子を上げてきている。選手権は活躍するだろうなと思っていたけど、得点もチャンスメイクもちょっと1段上に行った感じがする」

 徳村は後半の頭に投入した。図抜けた選手層だからこそできる作戦の1つだ。

「カードとして徳村を持っておきたかった。もし点が入らなかった時に、後で徳村を入れた方が、相手はちょっと嫌な感じになるんじゃないかなと思ったので、今日はそういう形を取った」
 
 一方で、スコアを引き離すにつれ、プレーがやや軽くなり、ミスが目立つように。選手時代に鹿児島実で選手権制覇を経験した48歳の指揮官は、課題も伝えた。

「後半にちょっと雑になった。気持ち良くサッカーしてもらっていいけど、段々アバウトになってきた部分が多かったので、そこは次に向けて修正したい。ちょっと欲が出るというか、ちょっとでも前にとか、自分のプレー選択が多くなってしまって、味方寄りのプレー選択じゃなかったことが、ちょっと多かったかなと思う」

 夏冬連覇が懸かる。選手たちはどういった心持ちで臨んでいるのだろうか。

「今まで僕らは追いかける立場だった。(今は)また違う角度から選手権を見られたりする。ただ、なんも変わらん高校生なので、そういう部分では浮き足立たないように、そんな話はしてるところ。本人たちの心持ちはまだどうなるか分からないけど」

 東海学園の鶴田道弘監督も「(神村学園の攻守の)切り替えは速いと思っていたけど、あのぐらい速いとは思わなかった。選手が体感した中では多分、相当速かったと思う」と口にしたように、初戦から圧倒的な強さと速さを示した神村学園は、冬も頂点まで駆け上がれるか。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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