12月31日に開催された高校サッカー選手権２回戦で、東海学園（愛知）が、今夏のインターハイを制した神村学園（鹿児島）とニッパツ三ツ沢球技場で対戦。０－６で敗れ、力の差を見せつけられた。

　DF中野陽斗（３年、いわき内定）、MF福島和毅（３年、福岡内定）、FW徳村楓大（３年、町田内定）というプロ内定者３人を擁する強豪を相手に、開始19分で失点。それ以降もサイドを揺さぶられ、鮮烈なミドルシュートを叩き込まれ、前半に４点、後半に２点を奪われた。FW日高元（３年）にはハットトリックを許した。

　攻守の切り替えをはじめ、神村学園は全てのプレーが速かった。80分を通して押し込まれ、19本のシュートを浴びたのに対し、自分たちはシュート０本で終わった。
 

　東海学園を率いる鶴田道弘監督は、選手に「相当トランジション速いぞ」「こっちが奪った瞬間の彼らの切り替えはかなり速い」と伝えていたものの、想像以上に速かった。名古屋、神戸、甲府でプレー後、2001年度に現職に就いた57歳の指揮官は、愛知県リーグで戦う自分たちと、プレミアリーグWESTで鎬を削る神村学園との差をこう語った。

「切り替えは思った以上に速かったですね。速いと思っていたんですけど、あのぐらい速いとは思わなかったというか。選手が体感した中では多分、相当速かったと思う。愛知県ではある程度ボールを動かせて、優勝できたんですけど、相手はプレミアリーグに所属していて、あれだけ能力が高い選手があそこまで走ってしっかりやっているので...『全国の本当のトップ・トップはこういう力だ』ってことを多分、身に染みて分かったと思う。

　下級生にとっては良かったと思いますし、これから大学でサッカーをやる選手も『こういうことなんだろうな』って本当に分かったと思う。我々が口で言っていても、やっぱり環境が...そういう舞台でやれていないので。我々は県リーグなので、そこが多分、全然肌感で分かっていなかった。今日身に染めて分かったと思います」

　今日できたと感じる部分は？という問いに対して、「あまり通用してないっていうのは正直な気持ちですね」と伝えた鶴田監督は、最後に「しょうがないですね。また頑張ります」とレベルアップを誓った。日常レベルの積み重ねで、大舞台で痛感させられた差を埋めていく。

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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