J通算286試合。34歳FWが13年間のプロキャリアに終止符。NACK5での声援に心震える「今でも忘れません」

2025年12月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「プロサッカー選手になって本当に良かったと思えた瞬間です」

25シーズン限りでの引退を発表した富山。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 RB大宮アルディージャは12月26日、富山貴光が2025シーズンをもって現役を引退することを発表した。

 早稲田大を卒業後の2013年、大宮でプロキャリアをスタート。16年にサガン鳥栖に移籍して以降、アルビレックス新潟やギラヴァンツ北九州でもプレー。J通算286試合・38得点。J1では79試合・8得点、J2では196試合・29得点、J3では11試合・1得点を記録した。

 34歳FWは、大宮の公式サイトを通じて引退を報告。「現役生活13年、ベガルタ仙台での強化指定選手の期間を合わせると15年、サッカー選手としてプレーさせてもらいました」とし、次のように続ける。

「3歳の時からサッカーを始め、プロサッカー選手になるために幾度も挫折を繰り返し努力し続けてきました。この経験がすごく役に立ったなと思います。

 プロサッカー選手の時間は苦しい時間ばかりでしたが、皆様の応援のお陰で何度助けられたかわかりません。皆様と最高の景色を味わえたことが、プロサッカー選手になって本当に良かったと思えた瞬間です。ありがとうございました。

 ベガルタ仙台、RB大宮アルディージャ、サガン鳥栖、アルビレックス新潟、ギラヴァンツ北九州でお世話になり、サッカー選手としても1人の人間としても成長させてもらいました。プロサッカー選手としての楽しさ、厳しさ、難しさを毎日のように体験させてもらい日々勉強させてもらったことが、今の財産になっています。

 満員のスタジアム、それを準備してくれた運営スタッフの皆様、ボランティアスタッフの皆様、クラブスタッフの皆様、グランドキーパーの皆様、スポンサーやパートナー企業の皆様、ファン・サポーターの皆様、地域の皆様、様々な方々のお陰であのピッチに立てる喜びを噛み締めながらサッカーをできたことに、本当に感謝いたします。サッカーで繋がった絆は、これからも一生の宝物になります。

 サッカーで出会った、指導者、仲間、関係者の方々のお陰で、今の僕がいます。この場を借りて、感謝申し上げます」
 
 とりわけ大宮は「特別な存在」だ。

「最初のNACK5スタジアム大宮での声援に心を震えたのは、今でも忘れません。合計10年大宮でプレーさせてもらい、僕が出た時のチャントは死ぬまで忘れることのない「富」になりました。ありがとうございました。

 これからもRB大宮アルディージャを皆様に支えてもらい、「埼玉と言えばRB大宮アルディージャだよね」と言われるようなクラブを一緒に創っていってもらいたい、というのが僕からのお願いです。『寝ても大宮、最高!』」

 家族への想いも伝える。

「そして、やんちゃだった僕を育ててくれた両親には頭が上がりません。何不自由なくサッカーに打ち込める環境を作ってくれて、大変なこともたくさんあったのにもかかわらず、好き勝手サッカーをさせてくれて、本当にありがとうございました。

 1番の理解者である妻、3人の子どもたち。みんなに大変な苦労をかけてきたけど、みんなの優しさに何度救われたかわかりません。僕の笑顔の源になっているのは、間違いなく家族です。改めて、ありがとう、そして、お疲れさまでした」

 そして最後に「サッカーで学んだことを次の世代に還元していくことが、僕の使命だと思っております。感謝の気持ちを忘れず、今後もサッカー界に自分らしい形でかかわっていけたらと思います」と今後に触れ、「サッカー最高!ありがとうございました!これからもよろしくお願いいたします!」と締めくくった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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