「疲れたね。現役中より全然疲れた」“文化人”に転向した天才が感じる明確な変化。最も印象的な出来事は?「やっぱ1番は…」

2025年12月12日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「カレーラスとか知ってるもん」

昨季に引退後、多方面で精力的に活動している柿谷氏(左)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「疲れたね。現役中より全然疲れましたね。やったことないことばっかりやったから、1日の決まりがないので。でも現役の時から僕、全然寝なくてもいける人やったので、すごい今に活きてるなっていう。解説とか夜中が多いじゃないですか。だから全然大丈夫で、充実した1年でしたね」

 12月11日に行なわれたJリーズアウォーズ後、この1年をそう総括したのは、功労選手賞を受賞した柿谷曜一朗氏だ。

 プロキャリアの原点セレッソ大阪に加え、スイスの強豪バーゼル、名古屋グランパス、徳島ヴォルティスでもプレーし、昨季限りでユニホームを脱いだ。引退後は、「サッカー系の文化人」として活躍。「槙野(智章)さんや内田(篤人)さんっていうすごく良いお手本があるので、とりあえずなぞりながら」メディアを賑わせている。

 最も印象的な出来事には、テレビ番組での取材でスペインに飛び、久保建英を直撃したことを挙げた。

「サッカーで言うと、やっぱ1番は久保くんに会いに行ったことかな。嬉しかったです。だってね、行ける機会ないじゃないですか。あと、俺全然体力もなければ、別に足が速いキャラじゃないのに走る系が多いし、そういうのも良い経験になったというか、楽しい」
 
 ピッチを離れ、久保らが活躍する森保ジャパンへの思いが強くなったようだ。

「より日本代表を応援したくなりましたし、来年のワールドカップに向けて、とにかく、ちょっとでも日本代表の役に立つために、サポーターを巻き込んで応援してもらうために、力を貸せれたらなと思います。ただワールドカップを見るんじゃなくて、ワールドカップに出る国とかもちゃんと勉強して、色んな人に伝えたいです。

 俺、現役中サッカーを1回も見てないんでね。自分の試合も見なかったんですよ。(それが今ではレアル・マドリー所属のアルバロ・)カレーラスとか知ってるもん。もうレアルとバルサの試合は今シーズン全部見てますし、Jリーグもそうです。見てるだけですけどね。選手は覚えれます。『これ誰やろ』って思う時間がない方が、スムーズに話ができるじゃないですか。特長さえ分かってれば、どういう選手が合うかとかも話しやすいので、ほんま勉強ばっかりですね」

 文化人として幅広く活動するなか、特に極めていきたいものはあるのか。35歳のレジェンドは「この1年でちょっと明確に自分のやりたいことが見つかり出したので、それのためには露出も必要」と伝えた。ただ、それが何かと問われれば、「内緒です」と煙に巻いた。

"ジーニアス"の異名をとった稀代のファンタジスタの、唯一無二のセカンドキャリアから目が離せない。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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