グアルディオラの決断に「ハートにはシティでの未来がなくなった」と英メディアが反応

2016年08月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ハートのキャリアに敬意はあるが…」(グアルディオラ)

あのメッシにも「怪物」と称されたハート。しかし、華麗なパスサッカーの完成を目指すグアルディオラの下では出番が限られそう……。 (C) Getty Images

 8月13日、ついに2016-17シーズンのプレミアリーグが開幕。オープニングデーには7試合が行なわれた。
 
 そのなかでも、大きい注目を集めたのは、今シーズンからジョゼップ・グアルディオラが新指揮官に就任したマンチェスター・シティとサンダーランドの一戦だ。
 
 試合は2-1でシティが勝利したものの、得点はセルヒオ・アグエロのPKとオウンゴール(パディ・マクネアー)だけで、要所でミスも目立つなど、グアルディオラが求める"魅せて勝つ"という理想には程遠い内容だった。
 
 試合後、スペイン人指揮官は「ホームの初戦としては疑問が残ったね。でも、普通のことだ。まだ学んでいる最中だからね。今日はとても良いチームスピリットを見させてもらった」と、プレミアでの初陣を振り返った。
 
 そんなグアルディオラには、メディアからメンバー選考についてある疑問が投げかけられた。それはシティ在籍10年目で、長年い渡って守護神を務めてきたジョー・ハートを、ベンチに置いたことについてだった。
 
 グアルディオラは先発にウィリー・カバジェロを起用した理由を、次のように明かしている。
 
「練習ではキーパーを入れて、2対1、3対2、4対3を何度もやってきた。ジョーが私の戦術に合っていないということではない。私は彼のキャリアに大きな敬意があるし、良いキーパーだということも分かっている。しかし、今日はウィリーにしたんだ」
 
「ジョーがハッピーではないことは確かだろう。多くの選手たちがメンバーから外れることになった。プレーできなかった選手全員が、もちろん欠場を悲しく思っている。すまないとは思うが、私は決断しなければならない」
 
 このコメントに各メディアは即座に反応。まず、イギリス国営放送『BBC』で解説者を務める元アーセナルのストライカー、イアン・ライトは「私はカバジェロがハートよりも優れたキーパーだとは思わないが、彼はEUROでミスを犯したからね。ペップの下でやるならば能力を証明する必要がある」と語った。
 
 また、英紙『サンデー・ミラー』のアンディ・ダン記者は「グアルディオラの決断は、ハートにはシティで未来がないことを印象付けるものだった」と綴った。
 
 さらに英紙『タイムズ』のヘンリー・ウインター記者は「イングランドのフットボールなんだ。ボールコントロールの時間が与えられるスペインとは違う。シティのやろうとしていることは簡単なことではない」と、グアルディオラのスタイルを糾弾した。
 
 スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』などでは、シティがバルセロナで正GKを務めているチリ人GKのクラウディオ・ブラーボと個人合意に至ったと報道された。
 
 そうした報道も踏まえ、イングランド代表GKがこの状況に不満をもらす可能性は高く、現地メディアでは、「ティム・ハワードが退団し、GKに不安を抱えるエバートンへと移るのでは?」という噂も出ている。
 
 ハートは心機一転、新天地への移籍を選択するのか。それともグアルディオラの下で実力を証明するためにアピールを続けるのか――。その行方からは、しばらく目が離せなそうだ。

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