横浜FMが残留へ一歩前進!4発大勝の背景にあったキャプテン喜田拓也の巧みなゲームマネジメント

2025年10月18日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「引くんじゃなくて、行くぞ」

浦和戦でチームを牽引した喜田。勝利に貢献した。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第34節]横浜FM 4-0 浦和/10月18日/日産スタジアム

 10月18日に行なわれたJ1第34節で、17位・横浜F・マリノスは8位・浦和レッズとホームで対戦。6分に谷村海那、34分にジェイソン・キニョーネス、45分にジョルディ・クルークス、45+5分に植中朝日のゴールで4点をリードすると、後半は相手にボールを持たれる時間もあったが無失点に抑え、4-0で勝利した。

 今季も残り5節という状況のなか、残留争いをする横浜FMにとっては大きな1勝になった。そんなゲームでは得点者らの活躍はもちろんだが、個人的に目を引いたのが主将・喜田拓也のゲームマネジメントだ。

 トリコロールのキャプテンが試合中に味方に指示を送ったり、ベンチに下がっても90分間チーム全体を鼓舞する姿は毎試合のことだ。

 ただ、浦和戦ではJ・キニョーネスの得点でリードを2点差に広げた時、チーム全体にどこか浮足立った雰囲気が漂い始めていたような印象もあった。そうしたなかで喜田は、チームを締めるような行動と声掛けを行なっていた。
 
 喜田も「それは中で声をかけていた」と語ったうえで、さらにこう続ける。

「どうしても1点取ると守りに入ったり、少し受け身になったりするチームが多いなかで、『畳みかけよう』と声をかけていました。引くんじゃなくて、行くぞと。なかなかその姿勢があっても、結果に結びつけることは簡単じゃないですけど、みんなが前向きにやった結果。そこに恐れはなかったです」

 J・クルークスのチーム3点目が決まった時も、真っ先にベンチへ向かった喜田は、大島秀夫監督から指示を受けてチーム全体に共有していた。その時のコミュニケーションを次のように明かす。

「まずはこの状況でどういうプレー選択をするか。あの時間を利用して、全員に共通理解を持たせたかった。一気にピッチ全体に伝えるのは困難ですが、各個人に伝えて意識を合わせるだけで、全然変わってくる。3点取ろうが、4点取ろうが、クリーンシートにこだわっていたし、そこで隙を見せないためのプレー選択、マインド、ゲーム運びなどは、時間帯を見ながらマネジメントできた」

 だが、リーグ戦は残り4試合あり、チームの残留が決まったわけでもない。「自信と満足は全然違うので、そこをはき違えちゃいけない」と話した喜田は、次のサンフレッチェ広島戦に向けて「満足している選手がいたら絶対に許さない空気を作りたいし、まだ自分たちは何も勝ち得たわけではないので」と気合いを入れた。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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