セビージャでの初公式戦は及第点!? 清武が見せた良さと残した課題

2016年08月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

ボール捌き等は問題なしも、攻撃で決定的なプレーは見られず。

課題は残した清武だが、チームのなかで機能していたことは間違いない。 (C) REUTERS/AFLO

 UEFAスーパーカップで、セビージャでの公式戦デビューを飾った清武弘嗣。スタメン出場を果たし、120分間をピッチ上で過ごすこととなった。
 
 セビージャが着用したユニホームが、昨シーズンまで在籍したハノーファーのそれと似ていたことから、見た目で違和感を抱かせなかった彼は、プレーでも新たなチームに溶け込み、随所で落ち着いたプレーを披露した。
 
 雨のなか、レアル・マドリーの選手に密着された状態でもスムーズにボールを処理して味方にボールを繋ぎ、良いかたちでボールを受けるために良い位置へ、良いタイミングで走り続け、運動量も維持。チームの攻撃のスピードを高めることにも貢献していた。
 
 26分に後方からパスを受け、反転して前に進もうとしたところでファウルを受けた場面のように、決して無難なプレーに終始することなく、機を見て仕掛けたりするなど積極性も見せてマドリーの選手に警戒を解かせなかったことは、今度に向けての重要だったと言えるだろう。
 
 58分には右から中央のエヌゾンジに気の利いたパスを通し、60分にはカウンターの起点になるなど、確実に能力の片鱗を見せ、存在感も示した清武。しかし一方で、試合を通してボールに触る回数は多かったとは言えない。
 
 コロジエチャクの退場で数的不利を強いられたことによって守勢に立たされた延長戦は仕方ないが、それ以前にも、彼が良い位置で待ち受けていても味方からボールが渡らない場面が幾度も見られたのは、チームとしての連係の問題か、彼自身の信頼性の問題か……。
 
 また、ビエット、バスケス、ビトーロに比べて、チャンスを作り出したり、フィニッシュに繋がるプレーに絡んだりできなかったのは、今後の課題と言えよう。前半に右サイドからクロスを1本入れたが、味方には合わずにクリアされている。
 
 もっとも、現在はまだチーム作りの途中であり、崩しのパターンなどが確立された際、清武の技術がどれだけ活かされるかという楽しみはある。
 
 多くのライバルと目される選手が加入し、さらにコロンビアのセバスティアン・ペレスの獲得の噂もあるなかで(これによって清武がEU外の枠から弾き出されるとの報道もあった)、この120分間は、清武の今後にどのような影響を与えるだろうか。
 
 セビージャはこの後、バルセロナとの国内のスーパーカップ(スーペルコパ)を、14日(ホーム)、17日(アウェー)に戦うこととなる。ここで清武に出番は訪れるか、そして今度は攻撃面での決定的なプレーを見せられるか!? 非常に注目されるところだ。
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