ロングボール戦術が奏功の横浜FM。J1残留には鹿島、町田に2連勝した戦い方への“再”切り替えも鍵になるか

2025年09月21日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

リーグ戦は4試合ぶりの勝利

福岡に2-0で勝利した横浜FM。写真:滝川敏之

[J1第30節]横浜FM 2-0 福岡/9月20日/日産スタジアム

 J1で17位の横浜F・マリノスが、12位のアビスパ福岡に2-0で勝利した一戦は、ロングボールでシンプルに背後を狙う戦術が奏功したことが勝因のひとつだ。残留争いのなかで残り8試合をどう戦っていくか。その指針になるのではないかと感じるゲームでもあった。

 今季、横浜FMは10節の福岡戦からクラブワーストの7連敗を記録し、チームも最下位に転落。そうしたなかで迎えた18節・鹿島アントラーズ戦(3-1)と19節・FC町田ゼルビア戦(3-0)は、アタッキングフットボールとポゼッションを封印し、ロングボール主体のサッカーに切り替えたことで2連勝した。その時は多くの選手から「チームのやり方がより明確になったことで意思統一ができた」という声も聞かれた。

 しかし、以降はポゼッション重視のスタイルに戻った印象だ。状況に応じてロングボールを織り交ぜた攻撃も仕掛けるが、ボールの出し手と受け手のタイミングが合わない場面が散見。試合中に選手たちが要求し合う姿はあるものの、チームとして整理されていないようにも感じた。
 
 そうしたなかで横浜FMは今節、再びロングボール戦術に切り替えて勝点3を掴んだ。鹿島戦や町田戦の時のように、チーム全員が同じ意識を持って戦っているように映った。

 試合後、GK朴一圭は次のように語る。

「今日はチームとしてロングボールを使って、セカンドを拾っていきながら攻撃を組み立てていこうという話だったので、特に前半はプラン通りできたと思います。前回(川崎フロンターレ戦)は後ろから繋いでいるなかで、早々に失点をしてしまった。そうなると難しい部分もあるので、割り切りじゃないけど、リスクを減らしながら、前にダイナミックにやっていこうっていうのが良い方向に出た」

 CBで先発した角田涼太朗も、手応えを口にする。

「裏に走るのが特長の選手をまず見ること、あとはロングボールに反応した相手のクリアボールを拾うこと、その統一は練習からやれていました。やることははっきりしていますし、今日みたいに意識を統一して臨めれば」

 そして主将の喜田拓也も「前にも言いましたけど」としたうえで、さらにこう続ける。

「どのやり方でも目線が揃っているかが重要だと思う。今日に関してはベクトルが揃っていた印象がありましたし、前向きなパワーもチームから感じ取ることができました。そうなると僕らもやりやすいですし、チームとしてのエネルギーも出やすいと改めて思いました」

 リーグ戦は4試合ぶりの勝利となった横浜FMだが、降格圏の18位・横浜FCと勝点1差であり、油断できない状況には変わりない。1試合も負けられないなかで、大島秀夫監督は今後の試合にどう臨むのか注目だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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