多くの日本人選手がベルギーに新天地を求める理由。フットボールエージェントが見解「Jリーグのほうがレベルは高いかもしれないが…」

2025年08月23日 中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

16人の日本人選手が在籍

ベルギーに新天地を求めた日本人選手たち。左から木村、綱島、畑。(C)SOCCER DIGEST

 この夏、多くの日本人選手が欧州へと渡っている。

 そのなかでもベルギーリーグにおいては、綱島悠斗(東京ヴェルディ)と野澤大志ブランドン(FC東京)がアントワープ、木村誠二(FC東京)はウェステルロー、松澤海斗(V・ファーレン長崎)と畑大雅(湘南ベルマーレ)はシント=トロイデンに加入した。さらに伊東純也もフランスのスタッド・ドゥ・ランスから古巣のヘンクへ復帰を果たした。

 現時点でベルギー1部リーグには現時点で16人の日本人選手が在籍しており、『transfer markt』によると、地元のベルギー、フランス、モロッコに次いで4番目に多くなっている。

 なぜ日本人選手たちはベルギーに新天地を求めるのか。某フットボールエージェントは次のように話す。

「ベルギーリーグは"ステップアップリーグ"と言われています。優秀なスカウトが多く集まりますし、外国人枠の制限もない。18歳から24歳ぐらいの選手が多く在籍しており、彼らはここで活躍して欧州のトップリーグへステップアップしたいと考えています。一方でクラブ側も、若い選手を早めに安く獲得して、大きなクラブへ高く売却するというビジネスモデルを考えているため、選手とクラブ、双方の目的が一致しています。選手が5大リーグ入りを目ざす上で、適しているというわけです」
 
 また、「ようやく日本人選手がヨーロッパの市場に乗り出してきた」と見解を示す。

「これまで日本人選手は、ヨーロッパの移籍市場にさえ、なかなか乗っていなかったと思います。それが近年、海を渡った選手たちの活躍もあり、少しずつ乗り出してきている状態です。その主な場所がベルギーリーグであり、レンタルでもJリーグから選手を獲得してきて、ヨーロッパのマーケットに日本人選手を乗せるということを積極的に行なっているのがシント=トロイデンです」

 一方で、日本のファンからは「なぜJリーグからヨーロッパのマイナーリーグに移籍するのか」という意見も少なからず聞こえてきそうだ。それでも欧州でプレーすべき理由とはーー。

「最近で言うと、高井(幸大)選手が川崎フロンターレからトッテナムへ移籍したように、Jリーグから直接ビッグクラブへ加入するケースもあります。しかしそれは決して普通ではありません。ベルギーリーグよりもJリーグのほうがレベルは高いかもしれませんが、ヨーロッパの市場においては当然、欧州のリーグに在籍していたほうが選手への関心は断然高くなりますし、5大リーグへのステップアップのチャンスは増えます。それがたとえ欧州の2部リーグだとしても同じことが言えると思います」

 現在、プレミアリーグで活躍している遠藤航(リバプール)や鎌田大地(クリスタル・パレス)らは、ベルギーリーグで実力を磨いてステップアップを果たした。彼らのようにベルギーから世界のトップリーグへと飛躍する日本人選手の誕生が今後も期待できそうだ。

取材・構成●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

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