「頑張れ」はパワハラ? 大久保嘉人と楽天・三木谷社長が今日の指導法を考える「極大解釈されすぎちゃってる」「この先が心配」

2025年08月01日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「僕なんか、国見高校ですよ。日本一きついっていう(笑)」

大久保氏と三木谷社長(右)が意見を交換した。(C)楽天

 楽天グループが8月1日、大型イベント「Rakuten AI Optimism」をパシフィコ横浜で開催。同社の社長であり、ヴィッセル神戸の会長を務める三木谷浩史氏と、元日本代表の大久保嘉人氏がトークセッションを行なった。

 いくつかのキーワードをもとに話を進めるなか、パワハラに関しても意見を交換。MCのハリー杉山氏が「モチベーションアップは現代社会において、特に日本では少し難しいところがあると感じます。どこまで鼓舞していいのかは、リーダーとして感じますか」と尋ねると、三木谷社長は自身の考えを次のように伝えた。

「そうですね。今はやっぱりコーポレートガバナンス、コンプライアンス、どっちかっていうパワハラとかが非常に...ちょっと言い方悪いんですけど、極大解釈されすぎちゃってるんじゃないかなって。この前、うちの記者さんと話したけど、『サッカーのコーチをやってるんだけど、少年サッカーで『頑張れ』って言葉を使ったらパワハラになるんですよ』って。

 前向きなエンカレッジメントも必要だけど、やっぱり鼓舞することも必要なわけじゃないですか。時には過度じゃないペナルティが必要だと思っているんですけど、なんとなく日本社会全体として、そういうところはアンタッチャブルになってきている。どんどん緩くなるが故に、より全体的に弱体化していった感じはします」
 
 一方、「4人の子を持つ父として、『頑張れ』って言葉が言えなかったら、何を言えばいいのかって思いませんか?」と問われた大久保氏は、「口癖で『頑張れ、頑張ってこいよ』って言っちゃうので、何がいいのか分からないですね。何がいいんですかね」と困惑の表情。さらに、自身は名門・国見高での厳しい練習を経てプロになったなか、ハリー氏から「過保護社会が進んでいくと、日本サッカーの未来がちょっと危うくなる」と振られると、こう訴えた。

「この先のことがちょっと心配ですよね。どうやって本当に大事な試合で戦えるのか、戦えるメンタルを作っていくのかのが、今の感じは分からないので。僕なんか、国見高校ですよ。日本一きついっていう(笑)。どうなるんですかね、今ね。今はああいうことができないってなると...僕はああやってやられたことによって、すごく成長できたんですよ。本当に苦しい時でも、その時を思い出して頑張れたので。この後はちょっと心配だなって思いますね」

 何がパワハラで、何がパワハラではないのか。それは感じる人によって異なり、正解がないだけに非常に難しい問題だ。

 兎にも角にも、今日の社会では良くも悪くも制限がかかり、行動の幅が狭まっている。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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