ダービーであり古巣対戦。特別な思いがあった? そう訊くと伊藤翔は間髪入れずに――ヴェンゲルも実力を認めた“和製アンリ”は間もなく37歳。横浜FCの新たな歴史を作れるか

2025年07月06日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「マリノスにはすごくお世話になりました」

横浜FC5年目の伊藤。マリノス時代(2014~18年)に並び、自身最長の在籍期間を数える。写真:滝川敏之

[J1第23節]横浜FC 0-1 横浜FM/7月5日/ニッパツ三ツ沢球技場

 勝点19で18位の横浜FCは7月5日、同15で最下位の横浜F・マリノスと対戦。チャンスを作りながら、クロスバー直撃などでモノにできずにいると、78分にこの一戦限りでチームを離れるアンデルソン・ロペスにPKでゴールを奪われ、そのまま0-1で敗れた。

「結果が全てなので、中々受け入れがたいですけど、前を向いてやっていくしかないです」

 そう振り返ったのは、85分からピッチに入り、左シャドーを務めた伊藤翔だ。今月24日に37歳の誕生日を迎える熟練アタッカーは、2014年から18年までマリノスでプレー。古巣対戦でメンバー発表の際などには、相手サポーターからも反応があった。

「伊藤選手にとっては横浜ダービーであり、古巣対戦。特別な思いがありましたか?」と尋ねると、間髪入れずに「それはもちろんありますよ」という答えが返ってきた。

「いつもの普通の1試合というか、普通の対戦相手の1試合ではないです。もちろん、僕自身マリノスにはすごくお世話になりましたし、色んな意味でも良いゲームを見せたかったですけど、中々そうはならなかったので、残念です」
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 プレータイムはアディショナルタイムを含めて約10分。左足のスペシャリストで、ピンポイントクロスを上げられる福森晃斗との連係で、今季初得点を必死に目ざしたが...。

「もちろんね、負けていたので、ゴール前に入っていきたいなと。福森選手がいたので、左のシャドーで左のクロスからって結構入りにくいですけど、ちょっとパスとかを捨てて中にいたいなとは思っていました。だけど、いかんせん、ちょっと時間が足りなかったです」

 最下位マリノスとの勝点差は1に。追っ手をかわしながらの降格圏脱出、J1残留に向けて、伊藤は「もちろん全てが必要」と前置きした上で、戦い方の明確化を重要視した。

「どういう風に戦うのか。もうロングボール一辺倒で戦うのか、ある程度自分たちの時間というか、繋いでいきたいのかも含めて、色んなところで意思統一は大事かなと思う。そこがもっと徹底されていったなかで、相手のゴール前で、じゃあどうやるのか。ただ単にクロスを上げているだけでは中々崩れないし、どう崩していくのかをもっと練習を含めてやっていきたいです」

 横浜FCはコロナ禍で降格なしが適用された2020年を除き、1度もJ1残留を果たした経験がない。その歴史を踏まえ、伊藤は今季開幕前に「どうにかして残りたいですよね。このチームが残ったことがないという、その歴史のなかで残れれば、横浜FCのサッカー史に、良い意味で名前を残せると思うので。みんなが、このチームが。そこじゃないですか」と決意を示していた。

 かつてアーセナルのトライアルに参加し、アーセン・ヴェンゲルもその実力を認めた"和製アンリ"は、1998年に創立した横浜FCの新たな歴史を作れるか。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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