新監督に逃げられたラツィオ、サポーター5千人が会長に抗議デモ

2016年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

いっこうに状況が改善しないことに耐えかねた上での行動。

写真はクローゼのラストゲーム時。この後、補強はなかなか進まず、ロティート会長(左)に対する厳しい声は増える一方である。 (C) Getty Images

 7月14日、イタリア・ローマのベネツィア通りとサンティ・アポストーリ通りが、大勢のラツィオ・サポーターによって埋め尽くされた。
 
 何かを祝うパレートではなく、ラツィオのクラウディオ・ロティート会長に対する抗議デモのための行動だった。
 
 ラツィオといえば先日、アルゼンチン人監督、マルセロ・ビエルサが契約してから2日目にしてこれを破棄。「戦力補強の約束を守らなかった」と理由を語ったビエルサ監督に対し、ラツィオは約55億円もの損害賠償を請求するというニュースが流れたばかりである。
 
 この件については、ラツィオにも被害者の側面があったが、この後、ロティート会長が「これはローマの陰謀によるもの。ワルテル・サバティーニSDがビエルサに辞めるようそそのかした」と語ったことで、騒ぎは大きくなってしまった。
 
 ロティート会長は、クラブ運営の手腕が評価される反面、その言動がたびたび物議を醸すことがあり、先日はチームの背番号10、フェリペ・アンデルソンを「6000万ユーロでマンチェスター・ユナイテッドに売却した」と語り、即クラブが否定している。
 
 また、財布のひもが固いことで有名であるこの会長は、監督が求める選手補強にもなかなか応じず、これが現場、さらにはサポーターとの軋轢を生じさせている。
 
 今オフ、ラツィオはドイツのレジェンド・ストライカー、ミロスラフ・クローゼが退団し、イタリア代表のサイドアタッカー、アントニオ・カンドレーバもビッグクラブ移籍が確実視され、さらにはルーカス・ビグリアら主力選手にも様々な去就の噂が流れている。
 
 それに対し、補強は遅々として進まず(それがビエルサ辞任の原因に)、さらにはフェリペ・アンデルセン、ケイタ・バルデ・ディアオがクラブへの合流をボイコットするなど(後に合流)、チームには様々な問題が噴出していた。
 
 ライバルのローマには成績でも大きく差を付けられ、いっこうにクラブの状況が改善しないことに耐えかねたラツィオ・サポーターは今回、こうして行動を起こした。
 
 夕刻にスタートしたこの抗議デモへの参加人数は最終的に5千人を超えたが、そのなかには、1973-74シーズン、クラブ史上初のスクデットを獲得したメンバーであるピーノ・ウィルソンとジャンカルロ・オッディも含まれていた。
 
 果たして、サポーターの訴えはクラブに届くだろうか。なお現在、ラツィオの選手たちは北部のアウロンツォ・ディ・カドーレでキャンプを行なっている。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事