「王者のゆりかご」から世界の頂点を目指し
18歳の誕生日を迎える8月にレアル・マドリーの一員となるマスタントゥオーノ。(C)Getty Images
アルゼンチンにおける絶対的存在──リーベル・プレートの歴史は栄光に彩られている。数多の名手を輩出している育成力、そして近代的なクラブ経営も高く評価される、その名門クラブが成功を収め続けている秘訣とは。
――◆――◆――
リーベルの育成組織は「Semillero de Campeones(王者のゆりかご)」と呼ばれている。その異名どおり、アルフレッド・ディ・ステファノから、オマール・シボリ、パブロ・アイマール、ハビエル・サビオラ、エンソ・フェルナンデス、フリアン・アルバレスまで数多の逸材たちが世界の頂点を目指し、この地から巣立っていった。
CIES(国際スポーツ研究センター)の調査によれば、2005年以降、リーベルはヨーロッパ以外のクラブで最多となる51人の選手を欧州主要リーグに送り出している。その移籍金の総額は、宿敵ボカ・ジュニオルスを凌駕。ラテンアメリカ随一の数字を誇る。
これに飽き足らないクラブは、育成プログラム(スポーツと学業のハイレベルな両立を支援する「River DAR」など)やトレーニング施設への投資を積極的に行ない、その結果、次世代のスター候補──クラウディオ・エチェベリやフランコ・マスタントゥオーノ(8月にレアル・マドリーへと移籍する)──が次々に台頭。リーベルの育成はいまや"事業"を超え、"文化"となっている。
――◆――◆――
リーベルの育成組織は「Semillero de Campeones(王者のゆりかご)」と呼ばれている。その異名どおり、アルフレッド・ディ・ステファノから、オマール・シボリ、パブロ・アイマール、ハビエル・サビオラ、エンソ・フェルナンデス、フリアン・アルバレスまで数多の逸材たちが世界の頂点を目指し、この地から巣立っていった。
CIES(国際スポーツ研究センター)の調査によれば、2005年以降、リーベルはヨーロッパ以外のクラブで最多となる51人の選手を欧州主要リーグに送り出している。その移籍金の総額は、宿敵ボカ・ジュニオルスを凌駕。ラテンアメリカ随一の数字を誇る。
これに飽き足らないクラブは、育成プログラム(スポーツと学業のハイレベルな両立を支援する「River DAR」など)やトレーニング施設への投資を積極的に行ない、その結果、次世代のスター候補──クラウディオ・エチェベリやフランコ・マスタントゥオーノ(8月にレアル・マドリーへと移籍する)──が次々に台頭。リーベルの育成はいまや"事業"を超え、"文化"となっている。
リーベルの成功を語るうえで、本拠地エル・マス・モヌメンタルも無視するわけにはいかない。2023年に大規模な改修を経て、収容人数85,018人の巨大スタジアムへと進化した。360度LEDスクリーン、顔認証セキュリティ、充実のVIPエリアと設備も申し分がない。
2024年4月27日には伝統の「スーペルクラシコ」でクラブの21世紀最多動員(84,567人)を記録。その存在感を世界に示した。さらに、コンサートや国際会議、法人利用まで視野に入れたスタジアムビジネスが絶好調で、このスタジアムは単なる"試合の舞台"ではなく、リーベルの財政を支える"収益装置"として機能している。
そのモヌメンタルで行われるリーベルの試合は常に盛況だ。85,000人超のキャパシティでありながら80試合連続でチケット完売、平均観客数84,567人。これは、ドルトムントやレアル・マドリーをも超え、世界最多クラスの動員力を誇る(transfermarkt参照)。
背景には、クラブのデジタル改革「River ID」の存在がある。会員情報やチケット購入が一元化されたこのプラットフォームによって、会員数は導入前の3倍増に。現在は130万人超の認証済みユーザーを擁する巨大コミュニティになっている。ファンとの接点を"体験"に変える。これが、リーベルが持つ圧倒的なブランドパワーの源泉だ。
記事:【クラブW杯|E組展望】大本命のインテルにも不安要素。浦和が初陣のリーベル戦で活かしたいメリットは?
2024年4月27日には伝統の「スーペルクラシコ」でクラブの21世紀最多動員(84,567人)を記録。その存在感を世界に示した。さらに、コンサートや国際会議、法人利用まで視野に入れたスタジアムビジネスが絶好調で、このスタジアムは単なる"試合の舞台"ではなく、リーベルの財政を支える"収益装置"として機能している。
そのモヌメンタルで行われるリーベルの試合は常に盛況だ。85,000人超のキャパシティでありながら80試合連続でチケット完売、平均観客数84,567人。これは、ドルトムントやレアル・マドリーをも超え、世界最多クラスの動員力を誇る(transfermarkt参照)。
背景には、クラブのデジタル改革「River ID」の存在がある。会員情報やチケット購入が一元化されたこのプラットフォームによって、会員数は導入前の3倍増に。現在は130万人超の認証済みユーザーを擁する巨大コミュニティになっている。ファンとの接点を"体験"に変える。これが、リーベルが持つ圧倒的なブランドパワーの源泉だ。
記事:【クラブW杯|E組展望】大本命のインテルにも不安要素。浦和が初陣のリーベル戦で活かしたいメリットは?