「今までここまで苦しんだ経験はない」信じ難いマリノスの大苦戦。水沼宏太はどう見ているのか。豪州から加勢「ガーガー言うよりも…」

2025年06月15日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「どんな手を使ってでも、這いつくばってでも――」

豪州に活躍の場を移した水沼。ただマリノスへの熱い想いは変わらない。写真:滝川敏之

 水沼宏太は2025年1月、横浜F・マリノスからオーストラリアのニューカッスル・ジェッツに移籍した。35歳になる直前、プロ18年目にして初の海外挑戦だった。

 元日本代表MF水沼貴史氏の長男である水沼は、父が偉大な足跡を残したマリノスでプロキャリアをスタート。それ以来、栃木SC、サガン鳥栖、FC東京、セレッソ大阪と渡り歩き、2020年から再びトリコロールを着て戦っていた。

 愛するマリノスを離れ、海外での1シーズン目を終えた今、さすらいの元気印にじっくり話を訊いた(第2回/全7回)。

【#1】急にではない。ずっとあった。水沼宏太が詳細に明かした豪州移籍の背景「やっと来たな」「ルーマニアでの経験を基にとにかく――」

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 古巣マリノスが、かつてないほど苦しんでいる。水沼が去った今季は、スティーブ・ホーランド新監督のもと覇権奪回を目ざしてスタートを切ったが、開幕から超低空飛行。負けが込むなか、イングランド人指揮官を早々に解任した。

 後任にはヘッドコーチを務めていたパトリック・キスノーボが就任。ただ、直後にアジア・チャンピオンズリーグエリートの準々決勝で大敗を喫するなどし、復調の兆しは中々見えず。泥沼も泥沼の公式戦8連敗、12戦未勝利でJ1最下位に沈むも…直近の鹿島アントラーズ戦とFC町田ゼルビア戦では3得点を挙げて勝利し、どん底からは脱出した。

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 一度もJ2降格経験がない名門の低迷は、水沼の目にどう見えているのだろうか。

「今までここまで苦しんだ経験はないと思うし、やってる選手たちも初めての経験をしているので、どうしたらいいか分からない部分があると思います。残念だけど、もうあとは『J1残留』が目標になったと思うので、そこに向かって、どんな手を使ってでも、這いつくばってでもやらなきゃいけない。全員が同じ思いをしっかり持って向かっていく姿に期待しています。

 自分から出てった身なので、とやかく言うことはないなと思いながら、見守っている気持ちで、『頑張ってほしいな』って気持ちでいます。自分がサッカー選手としてできるのは、自分がいる場所で、置かれた場所で、『あいつも頑張ってるから俺も頑張ろう』って思ってもらえるような、刺激的な存在になることです。ガーガー言うよりも、自分は自分の行動で見せて、あとはもうとにかく願うのが1番だと思っています」

 町田を撃破して連勝を果たした際には、Xを更新して拍手の絵文字で喜びを表現した。その2週間前の京都サンガF.C.戦の試合前にも「一人一人の気持ちを合わせて!俺がやってやるって気持ちが大事。プライドに賭けて!やってやれ!」とメッセージを送っていた。

 離れていてもやはり、マリノスは非常に気になる存在であるようだ。

「頑張ってほしいです。この前2連勝して、ちょっと上がったかなと思ったけど、まだビリだったので、びっくりしました。それほど大変な状況にあると思うので、今まで偉大な先輩がずっと守ってきた歴史をしっかり心に刻んで、継続させていくことが大事かなと思います」

 ニューカッスルへの移籍発表時のコメントにも「水沼が頑張ってるぞ!という知らせが、F・マリノスのみんなの追い風となるように、自分らしく堂々とプレーしてきます」という言葉があった。横浜生まれ横浜育ちの熱き男は、自らのプレーでオーストラリアから加勢する。

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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