延長後半のV弾! C・ロナウドを欠くポルトガルが初の欧州制覇!!

2016年07月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

グループステージは3分け、90分勝利は1度だけの険しい道。

敵地で逆境を乗り越えたポルトガルが、悲願の初のメジャータイトル制覇を果たした。 (C) Getty Images

 7月10日(現地時間)、EURO2016決勝が行なわれ、ポルトガルが延長戦の末に開催国フランスを1-0で下し、初の欧州制覇を果たした。
 
 ともに、ベストメンバーで臨んだ一戦、開催国フランスは立ち上がりに相手陣内でプレッシャーをかけてボールを奪い、ポルトガル・ゴールに迫る。
 
 しかし、ファーストシュートはポルトガル。4分、セドリクの縦パスを前線のナニが胸トラップで受けて右足を振り抜くも、ボールは大きく枠を越えた。対するフランスは、6分にシッソコのボレー、その1分後に左サイドからグリエーズマンがシュートを放つ。
 
 8分、ポルトガルはエースのC・ロナウドがパイエのファウルを受けて左膝を痛める。その後、プレーを続けるも、17分に座り込んで涙を浮かべた彼はいったん治療を受けてピッチに戻ったが、24分に再び座り込み、ここで今大会を終えることとなった。
 
 ポルトガルにとっては最大級のダメージとなったが、フランスはここで相手を攻め切ることができない。前半は10分にパイエのクロスをグリエーズマンが頭で合わせたプレー、その直後のCKからのジルーのヘッド以外、決定的チャンスを作ることはできず、こう着状態のまま前半を終えた。
 
 後半、フランスはやはり序盤から相手陣内に侵入し、個人の突破などからチャンスを作り出そうとするが、ペペを中心としたポルトガルDFにはね返される。対するポルトガルはパスを繋いでフランス・ゴールに迫るも、こちらもフィニッシュまで持ち込めない。
 
 59分にグリエーズマンが左サイドを抜け出してシュートを放つも、GKルイ・パトリシオにキャッチされたフランスは、その後、ポルトガルの守備ブロックを崩せず、試合は前半同様に膠着状態に入る。
 
 それでも66分、コマンが左サイドでボールをキープして上げたクロスを、グリエーズマンがぴったり頭で合わせたものの、ボールはゴールマウスには飛ばず、決定的なチャンスを活かすことができない。
 
 コマンが攻撃を活性化させ、よりゴールに近付くフランスは、75分にはそのコマンのラストパスからジルーがシュートを放つも、これもGKに防がれる。コマンは77分にも左サイドの突破から惜しいクロスを入れた。
 
 一方、ポルトガルは80分、ナニが右サイドからクロスを上げると、これがゴール枠内に飛び、GKロリスが辛うじてクリア。さらにカレスマがダイレクトでオーバーヘッドを放ったが、これもロリスがセーブした。
 
 返す刀で84分、フランスはシッソコが中盤から強烈なミドルを放つが、GKが横っ跳びでセーブする。
 
 アディショナルタイム、フランスはゴール左脇でボールを受けたジニャクが、巧みなフェイントでマーカーのペペをかわし、決定的なシュートをニアに放つも、ボールはゴールポストを叩き、劇的な決勝ゴールはならなかった。
 
 こうして試合は延長戦に突入。前半はやはりフランス攻勢で時間は進むが、決定的な場面を迎えることなく、104分、ポルトガルがCKを得る。カレスマのキックを、交代出場のエデルが頭で合わせるも、これをGKロリスが鋭い反応で止めた。
 
 後半に入り、107分、コシエルニーのハンドによりポルトガルはゴール正面でFKを得、これをゲレイロが左足で放つと、ボールはクロスバーを直撃する。
 
 そしてその2分後、交代出場のエデルが敵陣内の左側でボールを受け、中央に流れながらコシエルニーを振り切って右足を一閃。これがゴール左隅に突き刺さった。ポルトガル先制!
 
 ついに試合は動いた。リードを許した開催国は、マルシアルを投入して必死にゴールを狙う。カウンターのリスクを抱えながら相手陣内に突き進むも、しっかり守備ブロックを形成した相手を崩すことができない。
 
 アディショナルタイムには、ポグバが頭で落としたボールを中央でマルシアルがシュートを放つも、オフサイドの判定が下る。そして間もなく、試合終了の笛が鳴った。
 
 ポルトガル初優勝! グループステージ3試合を全て引き分け、90分で勝ったのはたった1度だけという険しい道を歩んできた彼らは、決勝ではエースを途中で失うという最大のピンチに陥りながらも、これを克服し、A代表として初のメジャータイトルを獲得した。

【PHOTOギャラリー】ポルトガルが悲願の初タイトル&フランスが地元決勝で敗れる悲劇
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