アイスランドがイングランドに逆転勝ちの番狂わせを起こす! ベスト8でフランスと激突へ

2016年06月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

アイスランドの守壁をイングランドは崩せず。

守勢に回りながらも集中した守りに乱れはほとんど見られず、イングランドの猛攻を凌いだアイスランド。8強でのフランス戦でも同様に戦えれば再びサプライズを提供できるはずだ。 (C) Getty Images

 6月27日(現地時間)、EURO2016のラウンド16のイングランド対アイスランドは、アイスランドが2-1で勝利した。
 
 試合は立ち上がりから4-3-3の攻撃的なシステムで臨んだイングランドが攻勢をかけ、2分にはスターリッジがケインとのワンツーからこの試合のファーストシュートを放った。
 
 キックオフ直後から敵陣に攻め入るイングランドの猛攻はすぐさま結実する。
 
 4分、最終ラインを抜け出したスターリングが相手GKハルドールソンと交錯し、PKを奪取。この絶好機をエースのルーニーが確実に決めて先制した。
 
 出足に躓いたアイスランドだったが、直後の6分に追いついてみせる。
 
 グンナールソンがペナルティーエリア脇(右サイド)からロングスローをボックス内に放り込むと、アウナソンがすらしたボールにR・シグルドソンが詰めてネットを揺らしたのだ。
 
 リスタート後、再び攻勢に出るイングランドにアイスランドは中央を固める守りで応戦。そして相手の攻撃をかわしてワンチャンスをものにしてみせる。
 
 18分、バイタルエリアでボールを受けたシグソールソンが狙いすましたシュートを放つと、これが相手GKハートの手をかすめてゴールへと吸い込まれた。
 
 たった2本のシュートで逆転されたイングランドは30分にケインが強烈なボレーシュートで敵ゴールに迫るも、アイスランドの守護神ハルドールソンにセーブされてしまう。
 
 この後もイングランドは66パーセントも保持して試合を支配するが、シュートが枠に飛ばず、アイスランドの組織だった守備に攻めあぐねた。
 
 イングランドは後半、ダイアーに代えてウィルシャアを投入。これでパステンポを上げて、中央に固まった相手守備網の打開を図った。
 
 この交代策で前半以上に敵陣でプレーする時間が長くなったイングランドではあったが、オフ・ザ・ボールの動きが乏しく、足下へのパス繋ぎが増え、攻撃に変化を付けることができない。
 
 さらに前掛かりに仕掛けるイングランドは60分にスターリングを下げてストライカーのヴァーディーをピッチへ送り出す。
 
 一方、疲労から逃げ切りへとシフトしたアイスランドは攻撃への意識は薄らいだが、執拗なマークと縦パスを遮断する集中した守備で、前掛かりになるイングランドの攻撃をはねかえし続けた。
 
 ヴァーディー投入後も変化の少ない単調な攻めが続いたイングランドは、焦りからミスが目立つようになり、相手に脅威を与えることができない。33分にはケインがこの日2度目の決定機を得るも、渾身のヘディングシュートはGKの正面に飛んでしまう。
 
 終盤に入り、イングランドは主将のルーニーに代えて、18歳のラッシュフォードを送り出して最後の賭けに出る。この新鋭FWは果敢に仕掛けたが、自陣に全員が入ったアイスランドの人海戦術を破ることはできなかった。
 
 結局、試合は2-1のまま、アイスランドがイングランドに逆転勝利を収め、ベスト8への切符を掴んだ。
 
 イングランドの猛攻に対し、最後まで自分たちの武器である守備を活かして戦い、見事な番狂わせを起こしたアイスランド。誰もが予想していなかったであろう躍進はどこまで続くのか――。彼らの8強での相手は開催国のフランスだ。
 
 
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