新エースへ――。オランダで躍動するサムライが注目の的だ。

　上田綺世を擁するフェイエノールトは３月16日、エールディビジ第26節でトゥベンテと敵地で対戦し、６－２で大勝した。

　今月上旬のチャンピオンズリーグで怪我から復帰した上田は、リーグ戦では１か月半ぶりに先発した。すると、10分に豪快なヘッドで先制点、23分に上手くワンタッチで合わせてチーム３点目をマーク。昨季に加入以来初の１試合２得点を挙げ、今季の得点数を７（リーグ戦では５）にした。

　この活躍を受け、現地の各メディアが週間ベストイレブンに選出。また、現役時代はアーセナルやマンチェスター・ユナイテッドでゴールを量産したロビン・ファン・ペルシ監督も「彼にはトップストライカーの素質がある。基本的にストライカーが持つべきものを全て持っており、全てのストライカーが憧れるクオリティがある」と伝えた。

　そしてまた１人、名門で９番を背負う日本代表FWを絶賛した。ファン・ペルシ監督と同じく元オランダ代表のテオ・ヤンセン氏だ。『VP』の「フェイエノールトのスター、ヤンセンに称賛される」と題した記事によれば、同氏は次のように語った。
【動画】フェイエノールト上田綺世の鮮烈２ゴール！

「あの選手はかなり多くの批判を受けている。そして、彼に魅了されている人たちもいる。彼はライン間でプレーでき、ゴール前に入る。技術的にも優れている。彼は得点力を示しているが、チームプレーにおいても非常に長けていると思ったよ。

　彼はこう考えているはずだ。『やったぜ、ファン・ペルシの下でプレーできる。ビッグネームだし、色々教えてもらえる』ってね。ファン・ペルシもまた、彼を信頼しているし、良い選手だと思っている。ビッグプレーヤーからそう言ってもらえると、自信が40％はアップするだろう」

　今冬に、エースとしてCF１番手を担っていたサンティアゴ・ヒメネスが、ミランに移籍した。そのヒメネスと上田を比較する声もあったなか、ヤンセン氏はこんな考えも明かした。

「差はそれほどない。ウエダの方が優れているかもしれない。フットボールをする上で、走る上で、より完成度が高い。スピードもある。私はこの選手に自信を持っている」

　もっとも、フェイエノールトでの数字には大きな差がある。上田が２年目の途中までで60試合12ゴールなのに対し、ヒメネスは在籍２年半で105試合65ゴールだ。ポジションを争うライバルがステップアップした今、背番号９は新エースとして、数字も伸ばせるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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