パルマは２月16日のセリエA第25節で、ローマに０－１とホームで敗れた。これで2025年に入ってから７試合白星がない。チームのムードが暗いのは当然だ。サポーターは批判を浴びせている。

　数少ない奮闘を見せたのが、日本代表GKの鈴木彩艶だ。チームが数的不利に陥り、ビハインドを背負って迎えた後半序盤、マティアス・ソウレの至近距離からのシュートをセーブ。さらにこぼれ球を押し込もうとしたアナス・サラー＝エディンのシュートを、ゴールラインぎりぎりで阻んだ。

　最終的に黒星となったが、パルマを試合に踏みとどまらせた鈴木のパフォーマンスは、地元メディアから大きく称賛された。ここ数試合で厳しい評価を受けていた守護神にとっては、リベンジとなる出来だったと言えるだろう。
【動画】驚異的な反応でゴールを死守！ パルマGK鈴木彩艶が好セーブを連発
　実際、イタリア大手紙『Corriere della Sera』は、今節のベスト採点のひとりとして鈴木を選出。サラー＝エディンのシュートを止めた場面の写真ととともに、「アニメみたいだが、現実だ」と称賛した。
 

　一方、『Corriere dello Sport』は「トップパフォーマンスと納得させられない出来を繰り返してきた」と、安定感にやや難があると指摘。そのうえで、鈴木は評価を高めてきたと伝えている。

「成長の余地があるモダンな守護神で、価値が上がっていることを考えれば、次の市場で主役のひとりになる準備ができている」

　自信につながるパフォーマンスと評価となった鈴木だが、皮肉なことにその活躍はチームの成績につながらなかった。ローマ戦で４連敗となったパルマは、18位と降格圏に低迷。クラブは一夜明け、ファビオ・ペッキア監督を解任している。

　現役時代にローマやインテルで活躍したクリスティアン・キブが後任と言われるパルマは、22日の次節でボローニャと対戦する。新体制でチームと鈴木がどんなプレーを見せるのか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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