今冬に、スペイン２部ラシン・サンタンデールのBチームで４部のラージョ・カンタブリアにレンタル移籍した21歳のMF中井卓大は、10歳の時にレアル・マドリーのカンテラ（下部組織）に入団。逸材が集まる超名門で厳しい競争を勝ち抜き、順調にステップアップを果たした。

　だが、３年前のシーズンに大きな挫折を味わった。マドリーのレジェンドであるラウール・ゴンサレス監督が率いるカスティージャ（マドリーのBチーム）に昇格したものの、たった２試合（合わせて５分間）しか試合に出場できなかったのだ。

　伸び盛りの選手にとって、１年間で５分しか公式戦に出場できなかったのは痛恨だった。

　なぜ、そこまで出場時間が限られていたのか。ラシンの地元メディア『ALERTA』は「レアル・マドリーでの時間は、ナカイにとってほろ苦い思い出となった」とし、こう綴っている。

「レアル・マドリー・カスティージャでデビューを果たしたものの、トップチームで自分の居場所を見つけられなかった。ラウー
ル監督の指揮の下、 2022-2023シーズンに数分間プレーした。アリバス、カルロス・ドトール、テオ・ジダンといった選手たちとのポジション争いが彼の成長を困難にした」

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　熾烈な競争に勝てなかった“日本の宝石”は翌シーズン、３部のラージョ・マハダオンダにレンタルされ、そこでも結果を残せず、今シーズンの前半戦はスペイン３部のSDアモレビエタにローン移籍。だが、監督交代を境に出番が激減したため、今冬にラージョ・カンタブリアに新天地を求めた。

　思い描いていたキャリアとは違う道を歩いているのは間違いないだろう。だが、まだ21歳。ここからの巻き返しに期待したいところだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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