今年３月に再開する北中米ワールドカップ・アジア最終予選で、日本代表が独走するグループCで最下位に沈んでいるのが中国代表だ。だが、３位のインドネシアとは勝点６で並び、２位のオーストラリアともわずか１ポイント差。残り４試合の戦い次第で、本大会出場の可能性は十分にある。

　そんな中国代表に、懸念される事態が怒っているようだ。"新戦力"として期待されているブラジル出身のMFセルジーニョ（北京国安）の帰化申請がスムーズに進んでいないのだ。

　中国のポータルサイト『捜狐』は２月７日、「中国代表の帰化に問題が発生。ブラジル人MFは中国国籍を放棄したのか？」と題した記事を掲載。鹿島アントラーズで公式戦76試合に出場し、31ゴールを挙げた名手の帰化について、これまでの経緯をこう説明した。

「29歳のブラジル人MFセルジーニョの帰化は、最近、中国のファンにとって最も待ち望まれていることである。中国代表がワールドカップのアジア最終予選でより良い成績を収め、再びワールドカップ本選出場に影響を与えるために、北京国安は巨額の資金と多大なエネルギーを費やして、長春亜泰からブラジル人MFセルジーニョを獲得した」

「セルジーニョに関する計画は、まず北京国安が国内選手としてプレーするのを助けることだった。第２に、セルジーニョは中国代表に最も欠けている中盤の選手であり、彼を加えることで、中国代表のワールドカップ出場に影響を与える可能性は高まるというものだ」

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　同メディアは「セルジーニョの帰化はこれまで順調に進んでいたが、最近問題が浮上した。つまり、帰化は時間との戦いになっているのだ。３月下旬のワールドカップ予選まで残り時間はあまりないが、帰化はまだ完了していない。完了しなければ、彼は新シーズンに国内選手として北京国安を助けることができないだけでなく、代表チームにも選出できない」と懸念を示している。

「セルジーニョの帰化は楽観的ではない。最近、北京国安もセルジーニョが新シーズンに外国人選手として出場すると発表したが、帰化手続きは進行中だ。中国スーパーリーグの選手登録期限は２月18日で、それまでに帰化が確定しなければ、セルジーニョは外国人選手としてしか登録できない。たとえ時間の問題で新シーズンに間に合わないとしても、まずはセルジーニョを外国人選手として出場させ、その後にセルジーニョを中国代表のプレーに協力させるつもりだ」

　記事は、「資金提供者である北京国安が諦めない限り、セルジーニョは中国国籍を絶対に放棄しないだろう。何しろ、彼は長い間この件のために努力してきたのだ」と締め括っている。

　とはいえ、ワールドカップ予選までは残り１か月半。進まない帰化手続きに、同国のメディアは苛立っているようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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