「この舞台を楽しもう」息をのむ展開で発揮された強心臓ぶり。前橋育英の主将が明かすハイレベルなPK戦の舞台裏。指揮官のキッカー選定法は「試合で調子がいいやつ」【選手権】

2025年01月14日 中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

PK戦は10人目までもつれる

PK戦を制した前橋育英イレブン。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・決勝]前橋育英(群馬) 1(9PK8)1 流経大柏(千葉)/1月13日/国立競技場

 1月13日に国立競技場で開催された第103回全国高校サッカー選手権の決勝で、前橋育英が流経大柏と激突。1-1のまま突入したPK戦を制して、7大会ぶり2度目の優勝を果たした。

 そのPK戦は両軍とも7人目まで全員成功するという展開で、ど真ん中や際どいコースに次々と決めていく。最終的には10人目までもつれて9-8で決着した。

 後攻だった前橋育英は外せば終わりの状況が続いたが、キッカーを務めた選手たちだけでなく、GK藤原優希を含めて余裕すら感じる強心臓ぶりだった。
【動画】決勝はPK戦までもつれる激闘! 前橋育英対流経大柏のダイジェスト
 そのことについて試合後、前橋育英の主将MF石井陽に訊いてみると、次のように語った。

「全体のトレーニングが終わった後に(PKの)自主練をする選手が多かったです。みんなが『誰よりもボールを蹴ってきた』という自信があったからこそ、プレッシャーのかかる場面でも落ち着いていたのかなと思います。緊張はもちろんみんなあったでしょうけど、それ以上に『この舞台を楽しもう』とみんなに伝えて、それが良い方向に出ました」

 そのキッカーは山田耕介監督が決めているようで、「その試合で調子がいいやつ、乗っているやつ、あとは自分の感覚で順番を決めているというのが正直なところ」と明かしている。

 一方、敗れはしたものの、流経大柏の選手たちもプレッシャーのかかるなかで素晴らしいキックを披露しており、どちらもハイレベルなPK戦だった。

取材・文●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

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