「彼のクオリティに感謝」2か月半ぶりの途中出場でゴール演出の三笘薫がブライトン同僚に賛辞。2025年は「期待してもらいたい」【現地発】

2025年01月03日 松澤浩三

アストン・ビラと2-2のドロー

59分からの途中投入で躍動した三笘。(C) Getty Images

 2024年の最終戦。三笘薫は圧巻のパフォーマンスでブライトンに勝点1を呼び込んだ。

 10月19日のニューカッスル戦以来、2か月半ぶりに先発メンバーを外れた背番号22が出場したのは、1点を追う58分からだった。

 ホームのアストン・ビラは序盤に先制点を許したものの、前半途中から試合の流れを引き寄せ、以降はシーガルズイレブンを圧倒し続ける。そして36分にオリー・ワトキンスがPKを決めて同点にすると、さらに後半開始2分でモーガン・ロジャーズが鮮やかに逆転ゴールを挙げた。
 
 その後も押し込むビラの攻撃を必死にブライトンが守る状況が続く。そんななか、三笘がベンチウォーマーを脱いでアップを始めたのが52分だった。そのわずか数分後、ジョルジニオ・リュテールとヤンクバ・ミンテとともにベンチに呼び戻され、3人は複数のコーチから入念に指示を受けてピッチへと送り込まれる。

 そしてこのトリプルチェンジにより、状況が明らかに一変する。劣勢だったブライトンだが、左サイドを中心に、日本代表ウインガーの積極的な仕掛けからビラのゴールに迫っていく。

 64分には対峙した右SB、イングランド代表のエズリ・コンサにスピード勝負を挑んで力強いドリブルで突破を図る。抜き去ったと思われたが、コンサに後ろから手をかけられ、バランスを崩してチャンスメイクしきれなかった。

 
 さらに2分後。敵陣でのリュテールの素早いプレッシングでDFがもたつく間に三笘がワンタッチで前方へ出す。スルーパス気味に絶好機が生まれたものの、FWジョアン・ペドロのシュートは大きくバーを越えていった。

 試合後の三笘が「点を取らないといけないシチュエーションだったので、より攻撃に力を出して、チームとして取りに行くぞという姿勢を出さないとなと思っていました」と話したとおり、その意識がブライトンに流れを呼び込んでいく。

「3人一気に交代したんで、僕らで活性化してチャンスを作らないといけないなと思っていました。より矢印が前に向いたってのが良かった」

 攻勢を強めて迎えた81分の値千金の同点ゴールにも、27歳がしっかりと絡み違いを生み出している。右SBタリク・ランプティが敵陣でボールを持ち、中央へ走り込んでペドロへパス。ブラジル代表を経由したボールは左サイドの三笘へと渡り、直後にボックス内に進入。2人のDFがマークに来るのを見た三笘は、落ち着いてその間を通して中央へと折り返す。ペドロが触って流れたボールを、最後は走りこんだランプティが右足で仕留めた。

 三笘は得点シーンを振り返り、「2枚来ていたんで、自分で行くのはなかなか難しかったですし、ペドロは空いてたんで。難しいボールでしたけど、彼のクオリティでアシストに繋げてくれたので、本当に彼のクオリティに感謝です」と味方を称えた。
【動画】三笘が絶妙のプレアシスト!ブライトンの華麗な連係弾

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