「活躍した選手が欧州に取られていく」広島のドイツ人指揮官が伝えた苦悩と、日本サッカーの進化「この3年間ですごく成長した」

2024年12月11日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

Jリーグが抱える問題に正面から切り込む

確かな手腕が評価され、優秀監督賞に輝いたスキッベ監督。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 12月10日に開催された「Jリーグアウォーズ」で、優秀監督賞に選出されたサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が、取材に対応。Jリーグが抱える問題に正面から切り込んだ。

 選手がサッカーの本場、欧州にステップアップするのは、喜ばしい出来事だ。だが、Jクラブの立場からすれば、主力の流出を意味するだけに、非常に頭が痛い。

 就任3年目の今季、直近2年の3位を超えるJ1リーグ2位に導いた59歳のドイツ人指揮官は、「難しいところは、ここで活躍した選手がヨーロッパに取られていくところ」と苦悩を明かした。

「移籍期間のずれの問題もあって、早い段階、7月に選手を取られていって、自分たちが選手を取れるようになるのはその後になってしまう。その間、行ってしまったけど取れない時期がある。そこはヨーロッパに送り出したクラブにとっては、本当に難しいポイント。鹿島も同じような状況になったと思う。すぐに選手を補強できるわけではない」

 ただ、移籍期間のずれをなくすことも目的の1つとして、Jリーグは2026年から欧州の主要リーグに合わせた秋春制に移行する。

「その観点からいくと、シーズンのカレンダーが変わるのは、無理がなくなるというか、そういったところが良くなると思う」
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 広島の名将はまた、森保ジャパンが立て続けに母国の代表チームを破ったなかで、肌で感じる日本サッカーの成長を説明。「1年目より3年目の方が、Jリーグが成長している。それは代表も含めて。日本のサッカー自体が、この3年間ですごく成長したと実感している」ようだ。

「日本人はスピードとフィジカルがすごく強いので、そこを活かして良いサッカーができると思っている。前からどんどん身体を当ててボールを奪いに行くところは、代表チームももちろんやっているし、自分たちもやっている。それに他のJリーグのクラブもやっていて、上手くいくようになっている。

『フィジカルが強い』というのは、身体が大きくて強いだけではない。特性を活かし、勇敢にボールを奪いに行く姿勢は、日本でもどんどん見られるようになってきている」

 日本のサッカーを研究し、リスペクトするスキッベ監督のもと、サンフレッチェはさらに順位を上げられるか。それはもう、優勝しかない。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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