【コパ・アメリカ】メッシ欠場の影響は大も、アルゼンチンが昨夏の雪辱を果たして白星発進

2016年06月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

チリは相手よりテクニカルな攻めを見せるも、守備面に難あり。

先制ゴールのディ・マリア。今ひとつだったアルゼンチンの攻撃において、違いを見せる唯一の存在だった。 (C) Getty Images

 6月6日(現地時間)、コパ・アメリカ・センテナリオはグループステージの2試合が行なわれ、アルゼンチンは2-1で昨年の王者チリを下した。
 
 5月27日に行なわれたホンジュラスとのテストマッチで背中を痛めたリオネル・メッシは欠場となり、90分間、ベンチで戦況を見つめることとなった。
 
 試合開始直後から、両チームは互いに攻める姿勢を見せる。アルゼンチンが遠めからでも積極的にシュートを放ち、チリはパスでの崩しを狙っていった。
 
 前半、より攻撃面で効果的だったのはチリの方で、アレクシス・サンチェスが違いを見せてチャンスを創出。アルトゥーロ・ビダルは縦横に幅広く動いて激しい守備からボールを奪い、また攻撃では好パスを何度か配球した。
 
 前線に優れたタレントを有するアルゼンチンは、しかし連動した動きが少なく、左サイドのアンヘル・ディ・マリアにボールが渡った時以外は、チリDF陣を脅かすような場面を作れなかった。
 
 アルゼンチンが22分にゴンサロ・イグアインがニアサイドで合わせたシュート、その直後のCKからのマルコス・ロホのヘッド、チリは29分にビダルのパスを受けたA・サンチェスの強烈なシュートという得点機を得るも、相手DF、GKの好守でともに活かせず、前半を終えた。
 
 前半、チリは激しい当たりを見せながらも、中盤でアルゼンチンを抑えきれずに速攻を許すことが多々あったが、それが後半はより顕著となる。さらにライン間が開いたことで、このスペースに入り込まれ、また中盤の危険な位置でのボールロストが、彼らを何度もピンチに陥らせる。
 
 51分のアルゼンチンの先制ゴールも、この状況から生まれた。エベル・バネガがハーフウェーライン付近でボールを奪ってそのまま前進、左に流すと、ディ・マリアがGKクラウディオ・ブラーボとゴールポストの隙間を抜いた。
 
 アルゼンチンは、リオネル・メッシ不在で攻撃にアクセントをつけられる存在がいないなか、前線からの守備を前半よりも強めたことも奏功して、貴重な1点を奪った。
 
 チリは同点を狙って反撃に転じるも、エリア近くまではアルゼンチンを上回るテクニカルなプレーで迫れるものの、芝の影響か、あるいはコンディションの問題か、最後のところでボールコントロールのミスや身体のバランスを崩したりして、チャンスに繋げられない。
 
 一方、アルゼンチンは中盤でのボール奪取から速攻でチャンスを創る。59分、先制点の時と役割を入れ替え、ディ・マリアが中央から持ち込んで左のバネガにパス。シュートはチリのSBマウリシオ・イスラに当たって軌道が変わり、またもGKブラーボはニアを抜かれた。
 
 2点差がついた後も展開は変わらず。そのままのスコアで終了するかと思われたが、アディショナルタイムでのFK、GKセルヒオ・ロメロの無謀な飛び出しで無人となったアルゼンチン・ゴールに、チリのホセ・ペドロ・フエンサリダがヘッドで流し込んで一矢を報いた。
 
 アルゼンチンは昨年決勝の雪辱を晴らし、1993年以来のタイトル獲得に向けて一歩前進したが、個々の力に頼ることの多かった攻撃は物足りなさが否めず、むしろチリの攻撃をはね返し続けた守備の方が頼もしく感じられた。
 
◎コパ・アメリカ・センテナリオ
グループステージ(6/6)結果&順位
◇グループD
パナマ 2-ボリビア
得点:パ=ブラス・ペレス(11分・87分) ボ=カルロス・アルセ(54分)
アルゼンチン 2-チリ
得点:ア=ディ・マリア(51分)、バネガ(59分) チ=フエンサリダ(90+3分)
順位:1位アルゼンチン、パナマ(勝点3)、3位チリ、ボリビア(勝点0)

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