平畠啓史チョイス“至極の11人”|MVPはストレスを解消してくれる快足FW。大迫の浮き球処理は芸術の域【J1月間ベストイレブン9月】

2024年10月04日 平畠啓史

速さだけでなく怖さも身に纏う湘南の畑

平畠氏が選出した9月のJ1月間ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。9月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。

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 ようやく暑さが落ち着きつつある今日この頃。ついこの間まで暑すぎる日が続いていたのに、気がつけば一年の終わりが近づき、終盤戦に向かって行くJ1リーグの9月のベストイレブン、MVPを今回も勝手にセレクト。

 GKはヴェルディのマテウス。3試合でG大阪戦の1失点のみ。ゴール前だけでなく、ディフェンスラインの裏のスペースのケアも怠らない。2勝1分の成績に大きく貢献した。

 ただ、福岡の永石拓海の活躍も見逃したくない。出場機会が多くはなかった今シーズンだが、31節、32節とスタメンに抜擢されると連続無失点。出場が叶わない日々も、コンディションを落とさずパフォーマンスの向上に努めた結果がピッチで表現された。

 試合を見れば、試合のない日々が想像できる永石の活躍には、プロのゴールキーパーの生き様が詰まっていた。

 DF、右サイドには広島の中野就斗。首位攻防、町田戦での2アシスト。大事な試合でチームを勢いづけた。試合途中で右サイドに新井直人が入り、中野が3バックに入る鉄板パターンを見ても、中野をピッチに置いておきたいというスキッベ監督の信頼の厚さがうかがえる。

 左サイドには湘南の畑大雅。速さが持ち味だが、速さだけでなくゴールに絡む仕事が増加。鹿島戦での冷静なシュートでゴールを奪ったシーンは見事。速さだけでなく怖さも身に纏いつつある。
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 CBは名古屋の三國ケネディエブスと神戸のマテウス・トゥーレル。名古屋に加入し3バックの中央を任されると、本来のポテンシャルが開花した三國。堂々ディフェンスラインに君臨し相手の攻撃を跳ね返し、名古屋の3連勝、3試合無失点に大きく貢献した。

 個の強さに加え安定感もあるマテウス・トゥーレル。攻撃時のセットプレーでも迫力十分。頼りになる存在である。

 ボランチは川崎の河原創とFC東京の東慶悟。夏に加入したばかりなのに、すぐにフィットし川崎の中盤で存在感を放つ河原。鋭い寄せからのボール奪取、正確なキック、無尽蔵なスタミナ。河原一人で、二人分、三人分の仕事ができる。

 そして、東がボランチでスタメン出場するようになってFC東京は3連勝。攻守両面で絶妙のタイミングで顔を出し、局面を好転させていく東。前線4人を輝かせ、後方の選手の守備やビルドアップをサポート。数字には出ない部分での実質的な貢献度が高い。終盤戦でもさらに欠かせない存在になっていくだろう。
 

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