【リオ五輪代表】芸術ループ弾のFW・富樫が中澤らとの練習の効果を実感。「F・マリノスDF陣のレベルの高さが分かった」

2016年05月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「身体能力は高いと思っていたが、いざ背負ってみたら…」

芸術的なループシュートで日本に3点目をもたらした富樫。DFを背負ったプレーでも当たり負けしない強さを見せた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 今季横浜に新加入した大卒ルーキーが、鮮やかなループシュートでスタジアムにどよめきを生んだ――。
 
 ガーナ戦の30分、中央でのパス交換から突破を図った日本は、富樫敬真が浅野拓磨からのラストパスを受けてシュート態勢に入る。
「ちょっとトラップがデカめになったんですけど、冷静になれた部分があった」
 
 そう振り返った右足のシュートは、振り抜かずにボールの底をうまく掬い上げたチップキック。芸術的な弧を描いて相手ゴールのネットに収まり、日本に3点目をもたらした。
「(浅野から)待っていたら本当に来たので、決めるだけだった。キーパーもけっこう食いついて早めに出てきたので、ループでいけるかなと思いました。イメージ通りです!」
 
 4月の静岡合宿では、清水戦でU-23代表でのデビューを飾っていたものの、観客が入った有料試合は初めて。2トップを組んだ浅野とのコンビもこの日が初めてだった。
「距離感とお互いの役割は事前に監督も交えて3人で話していた。上手くいった時と逆にもっとやれる部分もあったと思う。正直、もっと一緒にやりたいなと思いました」
 
 Jリーグ屈指のスピードスターとのコンビネーションには、課題も残したものの上々の感触を掴めたようだ。一方で、チームとしてはこのガーナ戦がアフリカ勢との初対戦でもあったが、相手にはやや拍子抜けした印象を持った。
「本当に身体能力は高いと思っていたんですけど、いざ背負ってみて思ったよりできたというか…」
 
 今回のガーナは欧州の第一線で活躍している選手は不在で、ほとんどがレベルの落ちる国内組で構成されている。それでも、バイタルエリア付近では大柄な相手と身体をぶつけ合うシーンも見られたが、「やっぱりF・マリノスのDF陣が、いかにレベルが高いのかが分かった。チーム(横浜)には世界と戦ってきたCBがいるので、普段からそういう人たちと練習している経験も生きていたのかなと思う」と、中澤や栗原といったキャリア豊富な元代表DFと、日常のトレーニングから対峙することで得られる絶大な効果を実感したようだった。
 
 しかし、初ゴールは決めたものの本人はいたって謙虚だ。
「ビギナーズラックで片付けられないように、これをコンスタントに続けていくのが大事だと思う」
 
 リオデジャネイロ行きへさらに視界を開くためには、ゴールを重ねるしかない。
 
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