日本戦回避のために手を抜いた? とんでもない!韓国代表は死力を尽くし、そしてマレーシアと引き分けた...【アジア杯】

2024年01月26日 江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

2位でいいなら必死の猛攻は仕掛けないはず

エースのソン・フンミン(7番)を中心に韓国は最後まで勝利を目ざしていた。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

 1月25日に開催されたアジアカップのグループE最終節で、韓国代表はマレーシアと対戦。21分にCKからチョン・ウヨンのゴールで先制するも、51分と62分に被弾し、まさかの逆転を許す。

 イ・ガンインのFKが誘発した83分のオウンゴールと、90+4分にソン・フンミンが決めたPKで試合をひっくり返したが、90+14分に痛恨の失点。明らかな格下相手に3-3のドローに終わった。
【動画】惜しくもオウンゴール判定!イ・ガンインの圧巻FK
 韓国は1位通過なら日本、2位ならサウジアラビアとラウンド16で当たる組み合わせだったため、一部からは「優勝候補の日本との対戦を避けるため、故意に2位になったのでは」という声もあるようだ。

 とんでもない。現場でこの試合を見て、韓国が手を抜いていると思った人間は皆無だろう。韓国は死力を尽くして戦い、そして引き分けたのだ。
 
 スタメンからしても明らかだった。初戦でイエローカードをもらい、累積警告にリーチがかかっている主軸のソン・フンミンとキム・ミンジェに加え、イ・ガンイン、チョ・ギュソンらほぼベストメンバーを送り出した。

 1-2と逆転された直後の62分には、不調のチョ・グソンに代えて、怪我で調整が遅れていたFWファン・ヒチャンを投入。2位狙いであれば、無理して起用する必要はなかった。

 2-2と追いついた後のCKで、ソン・フンミンは急いでコーナーフラッグにボールを運び、3-3とされた後にはパワープレーでCBのキム・ミンジェが猛然と前線に走るシーンもあった。2位(引き分け)でいいなら、そんな必死の猛攻は仕掛けないはずだ。

 何より、試合終了の直後、茫然とするソン・フンミンと膝をついたイ・ガンインの姿は、「2位でしてやったり」とチームのそれとは程遠かった。

「手を抜いていた」などという主張は、強豪から歴史的な勝点1を挙げたマレーシアにも失礼ではないだろうか。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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