「アジアカップには行ってほしくないと」“45分”でサプライズ選出のDF渡辺剛、ヘントは残留を望むも代表入りを選択。同僚となった大学の先輩シュミットからは「俺のことは気にしないで」

2024年01月09日 江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

「最終的にはクラブが許してくれた」

ベルギーでの活躍が認められたメンバー入りを果たした。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 最大のサプライズ選出と言えるかもしれない。11月シリーズで4年ぶりに日本代表に招集されたヘントのDF渡辺剛は、クラブの事情もあって元日のタイ戦は選外となった。だが、その試合後に発表されたアジアカップのメンバー入りを果たしている。

「自分がやってきたことを見せられるチャンスをいただいたのは嬉しかったですし、選ばれただけじゃなくて、結果で見られたらいいかなと」

 第二次森保ジャパンでは45分間のプレーのみで、檜舞台への切符を掴んだCBは、今シーズンから加入したヘントで、不動のレギュラーとして活躍。ここまで3位と快進撃を続けるチームに不可欠な存在となっている。

「クラブからはアジアカップには行ってほしくないと言われ、自分は代表でやりたいと思っていて、最終的にはクラブが許してくれた。行く分、代表で結果を出して、クラブに帰った時にいいパフォーマンスができるように、代表で自分のやってきたことを出せればいいかなと」
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 そのヘントには先日、シント=トロイデンから中央大学の先輩でもあるGKシュミット・ダニエルが加入した。

「決まる前に決まりそうだという話があって、決まった時にも連絡をいただいて。アジアカップに行ってなかったら、一緒に合流するところだったんですけど。シュミット選手も合流したみたいで、楽しみって言ってましたし、自分自身もキーパーが日本人だとやりやすいですし、仲のいい大学の先輩なので嬉しいです」

 26歳のDFは、「『がんばって』というのと、シュミット君は英語がしゃべれるので、俺のことは気にしないでと言ってくれました」とやり取りを明かしている。

「守備は自信がありますし、劣っているとは思っていない。そこの部分で戦っていかないといけない。プラスアルファ、いまは攻撃も求められて、(これまで)選ばれていない理由の中にそこも入っていたと思うので、ベルギーで意識しながら、ヘントに行って、攻撃も求められるチームになったんで、自信を持ててやれていますし、それがうまく出せたらいいなと」

 東京五輪世代ながら、冨安健洋、板倉滉、町田浩樹らとの争いに勝てず、オリンピックの舞台には立てなかった男が、ビッグトーナメントに挑む。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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