“表裏”で特筆すべきパフォーマンス!タイ戦でとにかく効いた田中碧。貫録すら感じさせたが…アジア杯メンバー選外に

2024年01月01日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

記事をアップする寸前でまさかの一報

交代する79分までタフに走り続けた田中。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表は1月1日、国際親善試合でタイ代表と国立競技場で対戦。無得点で折り返すも、後半にゴールラッシュを披露し、6万人を超えるサポーターに5-0の大勝を届けた。

 個人的にマン・オブ・ザ・マッチに選びたい、特に印象に残った選手は2人。伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と田中碧(デュッセルドルフ)だ。なかでも今回は、待望の先制点を奪い、"表"でも華々しい活躍を見せながら、中盤での潰し役として、"裏"でも特筆すべきパフォーマンスを披露した田中をピックアップしたい。

 ダブルボランチの一角で先発し、79分までピッチに立った25歳は、相手からすればいやらしい、絶妙な位置にポジションを取り、ことごとくセカンドボールを回収。圧巻だったのが、22分のプレーだ。

 鋭いスライディングでボールを奪うと、そこから細谷真大(柏レイソル)にズバッと縦パスを通し、ビッグチャンスを演出。ボランチ育成の教材として使いたい、お手本のようなプレーだった。
【動画】好機を逃さずズドン!2024年森保J初ゴールは田中碧の右足から
 また、ワールドカップも戦い、24キャップを重ねる経験から来る、その風格も非常に頼もしい。タイ戦の先発メンバーは、田中と50キャップの伊東を除けば、全員が5キャップ以下、伊藤涼太郎(シント=トロイデン)、奥抜侃志(ニュルンベルク)、藤井陽也(名古屋グランパス)にいたってはA代表デビュー戦だったなか、田中はどこか余裕と貫録を感じさせた。

 ドイツ2部リーグで4位につけるデュッセルドルフでも、直近ではコンスタントに結果を残し、上り調子の田中。だが、油断や慢心は一切ない。

 完勝したタイ戦後、「(ワールドカップ)最終予選もそうですし、簡単な相手は1つもないと思うので、しっかり気を引き締めてやっていきたい」と語る姿が、これまた頼もしい。

 と、これで記事をアップしようとしたところで、田中がアジアカップのメンバーから外れるという、まさかの一報が到着。いったいなぜか――。森保一監督は「招集していない選手の話は、この場では避けさせていただきたい。招集できる条件の中でベストということで、このグループを作っている」とのみ語っている。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

【PHOTO】日本代表のタイ戦出場17選手&監督の採点・寸評。5発快勝も7点台は2人のみ。MOMは先制ゴールのMF
 

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