「走って良かった」快足を活かしてマンCから1得点の横浜FW井上健太。3トップの中央は「ぶっつけ本番」

2023年07月24日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「スピードを活かすようにと監督から言われていました」

73分にピッチに投入され、プレー時間は限られたなか、1ゴールとアピールした井上。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 横浜F・マリノスは7月23日、日本ツアーを行なっているマンチェスター・シティと対戦し、3-5で敗れた。

 欧州王者の力を見せつけられた横浜は、大量5失点と悔しい結果になったが、今後に繋がるトピックもあった。そのひとつが、73分にピッチへ投入されたFW井上健太が、主戦場である右ウイングではなく3トップの中央で、持ち味のスピードを活かしてゴールを奪った点だろう。

 2-4で迎えた86分、右SB松原健が井上に送った前線への浮き球のボールは、シティのオスカル・ボブの頭に当たってGKステファン・オルテガのほうへ流れる。しかし、井上が諦めずに追いかけると、守備に入ったリコ・ルイスとオルテガの連係ミスを誘い、井上はボールを奪ってゴールに流し込んだ。
【動画】井上健太が快足を飛ばし、冷静にゴールへ流し込む!
 試合後、井上は「相手の最終ラインに対してスピードを活かすようにと監督から言われていましたし、健君から良いボールがきたので、最後は自分は関与していないですけど、"事故る"のを信じて、走って良かったです」と振り返る。

 3トップの中央は「練習でもやっていない。ぶっつけ本番」(井上)だったが、ボールを呼び込む動きと裏へ抜け出すタイミングは秀逸で、7月19日に対戦したセルティック戦で、横浜相手にハットトリックを決めた前田大然の飛び出しを彷彿させるプレーだった。

 報道陣から前田の動きを参考にしているのかと問われると、井上はこう明かしてくれた。

「コーチから(前田の)映像を見せてもらいましたが、そこまで意識しているわけではないです。ただ、マリノスの形は参考にしていて、自分もそのポイントに入っていけば決められるとアドバイスをもらっていました」

 また、武器であるスピードについては、「データを見ても世界の選手に劣っているとは思わないですし、通用すると思って試合に入りました」と語ったように、ゴール場面に加え、ヤン・マテウスとポジションを入れ替えて右ウイングに入った試合終盤にも、サイドを切り崩して見せ場を作った。惜しくもエリア内で相手DFにタックルで止められてしまったが、スピードは世界に通用すると言ってもおかしくないだろう。

 Jリーグは残り13試合。横浜はルヴァンカップに加え、9月からはACLの戦いも始まる。今後に向けて井上は、「ようやく慣れてきたというか、自分の持ち味を出しやすいようになってきている感覚があるので、チームのオプションになれるようにコツコツ積み重ねていきたい」と意気込む。

 横浜にはエウベルや宮市亮など、スピードが武器のアタッカーは他にもいるが、トリコロールの背番号17のスピードにも注目だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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