「2点目を取れる状況もありました」長崎との上位対決で敗れ、悔しさを滲ませた東京Vの城福監督。最後の5分間は「僕のベンチワークのミス」

2023年07月06日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「相手を引かせて、時間を分断させる状況を作ってしまった」

自身のマネジメントを含めて悔しさをあらわにした城福監督。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真)

[J2第24節]東京V 1−2 長崎/7月5日/味の素スタジアム

 J2リーグで2位につける東京ヴェルディは7月5日、第24節で5位のV・ファーレン長崎と対戦し、1-2で敗れた。

 ロングボールを多用して攻めてくる長崎に対し、チーム全体での組織的なプレッシングでボールを奪い、サイドから攻撃を仕掛ける東京Vは、序盤はやや優勢に試合を進めていた。しかし、29分に先制点を奪われると、引いて守備を固める相手を崩しきれない時間が続いた。

 城福浩監督は、「ボールを動かしてアクチュアルプレーイングタイムを長くしたい我々と、そうしたくない相手チームの構図は事前に予測していました」。ただ、「時間を分断されないように、ボールを外に出さないようにしながら崩していきたいと思っていましたが、(前半の)あの1発で相手が時間を分断してきたので、自分たちで首を絞めてしまった」と振り返った。
 
 悔やまれるのは、指揮官も「重くのしかかった」と厳しい口調で語った2失点目のタイミングだろう。

 攻勢に出たい東京Vは、後半のスタートから右ウイングに甲田英將、左インサイドハーフに稲見哲行を投入すると、交代でピッチに立った選手が躍動し、攻撃が活性化する。その勢いが奏功したのか、50分には左ウイングの北島祐二へのファウルで長崎のカイオ・セザールがこの日2枚目のイエローカードを受けて退場。数的優位にもなった。

 さらに68分には、疲れの見え始めた北島に代えて、6月6日付で特別指定選手に承認され、Jデビュー戦となった東洋大3年のMF新井悠太をピッチに送り出す。しかし、その直後だった。相手DFのクリアボールをCB山越康平がヘディングで押し返せず、自陣ゴール方向にこぼれたボールをフアンマ・デルガドに拾われると、強烈なシュートを叩き込まれたのだ。

 個人的にはフアンマのシュートがコースも強さも完璧と言える強烈な一撃だったから、それを褒めるべきだと思う。ただ、後半はそれまで相手にチャンスをほぼ与えておらず、1点を取り返せば十分に逆転も可能だと感じる流れだっただけに、失点した時間帯が悪かった。

 城福監督も、「0-1で推移していれば、相手が退場になろうがそうでなかろうが、押し込む自信はありました。さらに相手を引かせて、時間を分断させる状況を作ってしまったのは、自分たちの問題」と反省の弁を口にし、こう続けた。

「チャンスは作っていましたし、2点目を取れる状況もありました。最後の5分間は(センターバックの)谷口栄斗を(前線に)上げて、ロングフィードをサイドからさせたかったが上手く伝えられなくて、選手は縦から蹴ってしまった。おそらく(後半アディショナルタイムを含む)98分までやれていれば、ひょっとしたら同点に追いつけたかなと思います。僕のベンチワークのミスです」

 試合に敗れはしたが、2位の座は堅持した東京V。中3日で迎える次節の首位・FC町田ゼルビア戦に向けて、「我々は何も諦めていないですし、何も失っていないので、ここからチャレンジして、食らいついて行きたい」と語った指揮官は、長崎戦での反省をどう活かすか。その手腕に注目だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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