ヴィッセル神戸は７月１日、J１第19節で北海道コンサドーレ札幌と対戦し、１－１のドロー。アンドレス・イニエスタのラストマッチとなった試合後に退団セレモニーが行なわれた。

　ライトアップされたピッチに、チームメイトやスタッフらとハイタッチしながら登場したイニエスタは、目にうっすらと涙を浮かべながらスピーチ。次のように別れの言葉を告げた。

「５年前に神戸に来ました。その時には、この旅がどれだけ美しく感動的なものになるかは想像もできませんでした。

　大切な思い出として持ち帰れるのは、みなさんが、自分たちがここに着いた１日目から心配してくれた愛情とリスペクト、その気持ちが本当に自分たちにとっては大きかったですし、私個人として、そして家族のみんなを代表して感謝をしたいです。

　自分の家を遠く離れたところで、我が家にいるような感覚というのは、普通は感じれるものじゃないです。ただここで私たちはそれを感じることができましたし、それもみなさんのおかげだと思っています。本当に感謝しています。
 

　本当にみなさんは私たちの人生の一部分です。2018年にここに来た時、このクラブをより大きなクラブにするという約束を果たしにきました。それをいま果たすことができたと感じていますし、自分はピッチの内外で最大限を出すようにずっと務めてきました。自分がこのクラブに関わって感じてきた誇りと同じくらいの誇りをみなさんが自分に感じてくれたことを願っています。

　この最後の数か月は自分にとっても自分を取り巻く人にとってもとても苦しい時期でした。自分のこのキャリアを終えるにあたって、ピッチでプレーをしながら引退したいという気持ちがあり、その気持ちにしたがって、いま次の一歩を踏もうと思っています。

　自分はここに来た時より、良い選手としても人としてもずっと成長したというふうに感じています。そのことに関しては自分のチームメイト、元チームメイト、スタッフのみなさん、そしてここにいる素晴らしいファンのみなさん、そしてJリーグ、日本のすべてのファンに感謝しなければいけないと思っています。みなさんのおかげで成長し続けることができました。

　最後にファンのみなさんには、ここまでやってきてもらった通り、チームを支えていってほしいです。この後半戦、みなさんの支えが必要になります。チームは素晴らしいシーズンを送っていますが、みなさんと一緒により力強く、自分も離れたところからではありますが、チームに力を送りたいと思っています。

　今日はお別れを言う日が来ましたが、自分はさよならという言葉は好きではありません。また会いましょう。そういうお別れの言葉だと思っています。私たちは日本に戻ってきますし、ここは自分たちにとって我が家のようなところです。

　アリガトウゴザイマシタ、ミナサン」

　５年間にわたりJリーグでプレーし、日本のサッカーファンを魅了し続けたイニエスタ。これまで元スペイン代表MFが日本サッカー界にもたした功績は計り知れない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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